トレード歴が長くても、大きなリスクが取れるトレーダーは凄いと思います。どんなにリスクがあると認識していても、大きなリターンを求めるトレーダーは多いですね。たとえば、FX歴が20年というと、どのようなトレーダーをイメージしますか?
20年だと様々な相場をトレードしていますから、ものすごい経験値があるはずです。以下のようなトレーダーを想像するかもしれません。
『独自の勝ちパターンが多数あり、相場に応じて手法を変えることができる。ダメなポジションは損切りを行ない、プラスのポジションは最大限の利を伸ばす。勝てると分かっているので、ロットも莫大で、年間1億円は余裕で勝てる。短期間で何億、何十億と金融資産を作る。』
こんな感じに思っているかもしれません。
しかし、経験を積むと次のような状態にもなります。
『トレードにはリスクがある、ということを知ってしまう。』
知ってしまうという言い方は変かもしれません。
しかし、知らないがゆえにやっていたトレードが、実はめちゃめちゃリスキーなことだった。なんてことはよくあります。経験値を積んでリスクに対する理解が深まると、今まで感じてこなかった「恐怖心」がめばえるようになります。損失に対してビビってしまう、ということです。
FXの短期売買という投機的取引に関し、どれだけ恐怖心を抱くかは人によるでしょう。ほとんどの(まともな)人は、恐怖心が勝ちますから、大きなリスクを取って大きなリターンを得ることが難しいです。それが普通です。
なぜ恐怖心が芽生えるかというと、為替市場をコントロールすることができないからです。投機筋や金融政策の動向、介入の有無など、自分ではどうすることもできません。事後的に、価格が変動した後に気づくものです。ですから、ポジションを持つと、いつもコントロールできないリスクにさらされます。
しかし、大きなリターンを得るためには、絶対にリスクを取らなければなりません。私も、専業トレーダーになり始めた頃は、かなりリスキーなトレードしていました。客観的に見てかなり大胆なことをしていたと思います。今考えると恐怖ですが、当時は、本当に儲かると思ってロットを張っています。もちろんリスクがあると分かっているのですが、本当のリスクを理解していなかったと思います。
FXにおけるリスクの付き合い方は、人それぞれです。そこで、リスクの認識段階を2つに分けて考えてみます。
①認識したうえで取るリスク
②認識していないからこそ取れるリスク
どちらの段階であっても、取るリスクにはメリットとデメリットがあります。自分がどちらのリスクを取っているのか、思い返してみると良いかもしれません。頭ではわかっていても、感情が入ってしまい適切なリスク管理は難しいものです。ロット数、資金管理や損益率の決め方など、定期的に検証してみて下さい。