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FXで大失敗|1000万円の大損経験でわかった初心者が損しない5つのこと

わたしがFXをスタートしたのは、約15年前です。

勝ち始めたのは10年前の2009年からなので、最初の5年間は勝てませんでした。それどころか、リーマンショックで1000万円以上の損失を出し、ほぼ財産を失い一時退場しています。夢をみてFXを始めたにもにもかかわらず、5年は鳴かず飛ばずの状態で、あげく大損したので、精神的なショックは甚大でした。このときの感情は忘れることありません。

今でも、トレードして損切りが遅れたときなどは、当時の大損が頭をよぎります。

このような大失敗は、わたしに限らず、誰にでも起こる可能性があります。相場が急落したときなど、大損するトレーダーは後を絶ちません。「人は失敗ことから学ぶ」とは言いますが、できれば投資で大失敗して大損する経験はしたくないものです。

そこで、大損するトレーダーにありがちな行動や負けパターンなど、失敗する人の5つの共通点を紹介します。そして、どうすれば大損しなくなるのか、説明します。

目をそむけたくなりますが、負け方にフォーカスし、この機会に戒めてください。負けパターンを知っておくと、そうならないような行動を取ることができます。ちなみに、全て私に当てはまることで、経験済みです。

1.1発で大損する2つの理由

大損するのは、それなりに理由があります。まぐれで勝つことはあっても、まぐれの大損はありません。大損するような行動を自らが取っているのです。理由は、次の2つです。

1. ロット(取引枚数)の上げ過ぎ
2. 損切りしない

メンタルがどうとか、関係ありません。

この2つをやめない限り、いつでも大失敗する可能性があります。爆弾をかかえたままトレードしているようなものですね。どちらも、「早く儲けたい」「1発当ててやろう」などの欲が根底にあるのではないでしょうか。

1.1. ロットの上げ過ぎ

最初から潤沢な資金がある人は、まれです。私もそうでしたが、ほとんどのトレーダーは数万~数十万といった少額からFXを始めますよね。

資金が少ないと、1回のトレードで儲かる金額も少なくなります。そのため、リスクがあると分かっていても、ロットを上げてしまいます。運用資金が少ないトレーダーほど、ロットを上げる傾向にあるのです。資金が少ないからロットを上げて早く儲けたい、という欲でしょう。

しかし、元手資金に対してロットが大き過ぎると、損益がジェットコースターのように変動します。ちょっと負け込むと、すぐに資金が底をつきます。かりに、最初は勝てて資金が増えたとします。すると、もっと早く儲けたい気持ちが強くなり、さらにロットを上げるでしょう。

これでは、資金がいくらあっても1回の負けで大損します。ずっと資金に対するロットが大きい状態ですから、いつか必ず大損するのです。

最初からロットを上げるとなるべくして大損します

1.2. 損切りしないで大損

損切りしようと思っても、ためらってしまうことはありますよね。

なぜ損切りできないかというと、認めたくない損失が確定してしまうからです。もし損切りせず、もう少し待っていれば、いい方向へ戻って含み損が無くなるかもしれません。それを期待してしまうのです。

また、損切りしたあとにプライスが戻ると、目も当てられません。エントリーで失敗したあげく、損切りでも失敗することになるからです。泣きっ面にハチ状態で、メンタルが大ダメージを受けますね。

そのため、次にように考えてしまいます。

・これだけ下げれば、もう戻るだろう
・あと1分だけ待ってみよう
・今回だけは助けてほしいと神頼み

しかし、損切りできない自分を納得させるため、理由を都合よく見つけているだけです。自分勝手で、甘えているだけです。

もし、他人が同じようなことをしたらどう思いますか?

損切りしないで含み損をかかえていたら、「悩んでいるなら損切りすればいいのに」と思いますよね。しかし、自分も同じことをしているのです。他人に厳しく、自分には甘くなります。投資の世界では、これが面白いほど顕著になります。自分だけは損したくない、どうにかして儲けたい、という欲ですね。

自分だけは儲けたい、損したくないという欲が強すぎると大損へつながります

2.よくある負けパターン2つ

次は、負けパターンを2つ見ていきます。
トレードルールがないと陥りやすいので、特にビギナーは注意が必要です。無意識のうちにやっていることがあり、典型的な負けパターンといえるでしょう。

1. 損切り貧乏
2. 無計画ナンピン

両方の負け方を知り、少しでも予防できるようにしてください。

2.1. 損切り貧乏

1回の損切りは微々たるもので、損切りもしっかり行なっているとします。

しかし、塵も積もれば山となるのは、損失も同じです。細かい損切りを繰り返すことで、いつのまにか大きなマイナスになる状態です。トレードするたびに損切りをし、じりじりと口座をむしばんでいきます。また、負けトレードが多いと、イライラするなどメンタルへの影響も出てきます。

勝率が悪く、ちょっとした連敗を繰り返すと、数回のトレードでは取り返せないほど口座資金が減っています。しばらく取り返せないと分かると、モチベーションが一気に下がってしまいますね。

損切り貧乏になる要因は、様々です。

1回の負け分を取り返そうとし、短時間で、無意味に売ったり買ったりすることもあるでしょう。上げ相場にもかからず、下げると信じてショートして損切り、次は下げる思い、再度ショートして損切り、この繰り返しです。

目線が間違っているのに何度も同じ方向へポジションを持つと、必ず連敗します。5連敗や10連敗など、あっという間です。

相場の流れを見誤ることは、しょっちゅうあります。自分の分析が正しい、などと間違いを認められずにトレードしていると、連敗は日常茶飯事です。エントリー後、思っている方向と逆へ進んだから、すぐに誤りを認めて損切りしましょう。

2.2. 無計画ナンピン

ナンピンは、ポジションを取って含み損がでたときに、買いなら買いでポジションを追加していくことです。平均建値が有利になるので、ナンピンした後は含み益に転じやすくなります。これが、計画的なナンピンなら問題ありません。

一方、無計画ナンピンとは、本来、損切りすると決めていたポイントで、損失を確定させたくないがために損切りせず、逆にポジションを増やすことです。

決めていたことと正反対の行動を起こすわけですから、危険極まりないですね。損切りをすれば、損失は確定したとしても、それ以上の損は出ません。

しかし、損切しないでナンピンをすると、ポジションが倍になります。もし逆行すると、倍々で損失がふくらんでいきます。決済ボタンをクリックすべきときに、新規注文をクリックするのですから、無茶苦茶なことをしています。1回は助かったとしても、いずれ地獄を見るのは、火を見るよりも明らかです。1回で大損しなかったとしても、口座資金が一気に減ることになります。モチベーションも急激に低下し、資金もメンタルも立ち直るまで相当な時間を要します。

私が2008年にやってしまったのは、この無計画ナンピンです。1回の損切りで1,000万円以上の損失となりました。

3.初心者が負ける5つの行動

ここまで、トレードで負ける4つのタイプを見てきました。

1. ロットの上げ過ぎ
2. 損切りしない
3. 損切り貧乏
4. 無計画ナンピン

どのパターンになるかは分かりませんが、負けるとしたら、どれかに当てはまるのではないでしょうか。この先トレードをやっていく限り、損する可能性は常にあります。自信がついてロットを上げると、1発で大損するかもしれません。もしくは、スキャルピングをやっていくうちに、損切り貧乏になっているかもしれません。

実は、負けるトレーダーにはある程度の共通点があります。

まぐれで勝つことはあっても、負けるにはそれなりの理由があるからです。負けるべくして負けるわけです。その共通点は次の5つなので、自分にあてはまっていないか、チェックしてみてください。

1. 勉強しない
2. 勘違い
3. 焦り

4. 他力本願
5. リスクをよく考えない

これらは、全て勝てなかった頃(2008年以前)のわたしのことです。つまり、初心者の頃のトレーダーなら誰でも当てはまるのではないかと思います。詳しく見ていきましょう。

3.1. 勉強しない

勉強しなければ、トレードで勝てるはずありません。

初心者のころ、知識などはありませんし、やり方を学んでいこうと思うはずです。誰しもそんなこと分かっていますよね。

しかし、本気で勉強する大人は、意外と少ないです。書籍やネットで少し勉強すれば、勝てると思っている方が大多数でしょう。もしくは、何を勉強していいか分からないために、SNSばかり見て、肝心な勉強をしない方も多いのではないでしょうか。まずはトレードして実践をしていけば、何かコツをつかむことができると期待してしまうのです。

しかし、知識がないままトレードしても、得られる経験値は微々たるものです。実践は重要ですが、やみくもにトレードすることになり、画面を見て売ったり買ったりしているだけになります。

重要なことは、勉強してFX全般の知識をインプットし、それを実践でアウトプットすることです。実践が役立つのは、知識をインプットしていることが前提になります。そのために、まず知識をインプットしなければなりません。

3.2. 勘違い

少し利益が出始めると、「やっと勝てるようになった!」「これから大きく稼げるかもしれない!」と、ワクワクしますね。

夜寝るときなど、もうお金持ちになった気分で、安眠に入ります。宝くじを買って、当たったら何を買おう、と考えているのと同じことです。勝つイメージを持つことは大切ですし、モチベーションアップにつながるので、良いことです。

しかし、イメージすることと勘違いすることは、大違いです。コツをつかんだからといっても、それはまぐれかもしれません。勝てるようになってきても、この先勝ち続けられるとは限らないです。少し慣れてくると勘違いすることがあるので、注意が必要です。

ちなみに、私はFXで勝てないころは、よく宝くじを買っていました。しかも、買う量が半端なかったです。そんな考えだから、トレードも勝てなかったのでしょう・・・

今は、宝くじを買うことはありません。

3.3. 焦り

わたしがFXを始めたのは、20代半ばです。

30才までにお金を稼いで脱サラし、雇われ社員から早く抜け出したいと思っていました。結婚するときにお金が無いのは嫌だから、「1日でも早くお金持ちになりたい!」というのが本当の気持ちでした(この願いはかなわず結婚前に専業になれませんでした)。

頭の中は、いつもこのような欲で一杯なので、勝てない日が続くと焦りが出てきます。

しかし、焦りはじめると、本を読んだりトレードしていても、何も頭にはいってきません。いつも上の空状態で、つねに冷静さを欠いた状態になります。

こうなると、戦略もへったくれも無いです。

リーマンショック前は、円キャリートレードの全盛期です。下がったら買っておけば、スワップもつくし待っていれば価格も上がっていました。インカムゲインもキャピタルゲインも得られますので、やっていて楽しい感覚を持つようになります。ただ一つ、暴落さえしなければ・・・

1回のトレードで利益確定するには、次の3つのプロセスがあります。

1. エントリーまでの戦略を立てる(トレード根拠)
2. エントリーポイント(ロングorショート)
3. イグジットポイント(利益確定or損切り)

この一連をクリアして、初めて利益が出ます。

しかし、焦りがあると、どこかが欠けてしまします。結果、一貫性のあるトレードができなくなります。負けるとさらに焦り、負のスパイラルに陥るのです。この状態になると、トレードが苦痛になってきますね。

3.4. 他力本願

ここでいう他力本願とは、負けた理由を自分以外のせいにすることです。

・インジケータが役にたたない
・本に書いていることが使えない
・この相場では仕方がない
・運が悪かっただけ

人は、敗因を何かになすりつけることで、精神的に楽になろうとする傾向があります。負けたのは自分のせいだと認めると、勝てない事実を突きつけられたことになり、FXでお金を稼ぐという夢が崩れてしまいますからね。どこか、逃げ道を作っておきたいのでしょう。

さらに、他力本願思考は、勝ち方にも伝染します。

トレード手法は、自分で構築するものです。しかし、簡単なことではありませんね。そこで、楽して勝ち方を知りたいと考えるようになります。そうすると、他人のトレード手法を、手っ取り早くお金で買いたくなってきます。

・勝てるトレード手法を探す

しかし、誰もが勝てるトレード手法はありません。なぜなら、どんな手法であれ、それを実践するスキルが足りないからです。あるトレーダーには勝てる手法だとしても、別のトレーダーにとっては負ける手法になることは、よくあります。トレードルールは、自分で作る姿勢が大切です。

3.5. リスクをよく考えない

私は、FXを始めた頃、勝つことばかり考えて利益の計算をしていました。

毎日20pips勝つと、「1年後には資産が1000万は超えている!」などと、捕らぬ狸の皮算用をしがちです。勝ちばかりにフォーカスしてしまうと、リスクから目をそむけようとします。確かに、大損などリスクが表面化しない限り、考えなくてもいいかもしれません。

リスクにさらされたとき、はじめてその怖さを知ることになります。それがいつになるのか、時間の問題といえるでしょう。

私の場合、リスクが顕在化するまで4年~5年かかりました。

リスクはあると認識していても、FXがどれほどリスキーな投資であるか、本気で考えたことがなかったです。負けはつきものですし、負けたら勉強代として勘定すればいい、と言い訳できる思考でした。実際に大損しないと、リスクに対する実感がわかなったのでしょう

FXを甘く見ていた証拠です。

4.負けないようにすれば勝てる

このように、FXは、初心者が負けるトラップがたくさんあります。

では、どうすれば負けないでしょうか?
いや、どうすれば勝てるのでしょうか?

それは、大損しないようにすればいいのです。

ほとんどの人は、勝てるようになるために、良いトレードルールを求めて試行錯誤します。フォーカスしているのは、利益確定の方ですね。そうではなく、上述したことの逆の行動をするだけでも、勝てるようになります。負けないこと、少なくとも大損しないことが、勝ちにつながります。

これまでお伝えしたことの逆の行動とは、具体的に次のようなことです。

1. ロットを上げ過ぎない
2. 必ず損切りする
3. 連敗を察知したら様子見する
4. 無計画ナンピンしない
5. しっかり学ぶ
6. 都合よく解釈しない
7. 焦らない
8. 他力本願をやめる
9. リスクを認識する

これらを意識するだけでも、防御力が急激にアップし、負けを防ぐことが可能です。これまでが「布の服」だとしたら、「鋼の鎧」をまとったイメージでしょうか。攻撃力も必要ですが、守備力・防御力も大事です。

しかし、いきなり逆転の発想をするのは難しいです。

自分の考えを否定し、その逆を認めるわけですからね。でも、これは「自分こそ正しい」という前提があるからではないでしょうか。「自分は間違っているかもしれない」という謙虚な姿勢があれば、逆転の発想をすることができます。

発想の転換をしてみてください。

5.  儲けるよりも生き残ること

私はある時期から、トレードの目的を「儲けること」ではなく、「生き残ること」にしています。

確かに、最終的なトレードの目的は儲けることです。しかし、それには前提があり、生き残っていることです。退場してしまうと、全てが終了してしまいます。どんな会心の一撃が出せたとしても、痛恨の一撃を受けたら一瞬で死にます。防御力は高めておきましょう。

生き残るには、負けないことです。勝つことよりも負けないことの方が重要です。

つまり、大損などの大失敗をしなければ、おのずと生き残り、儲けることができます。勝ち方は、ゆっくり考えれば良いのではないでしょうか。勝ち方よりも、先に負け方も学んでいかなければなりません。そのために、上述したような行動を心がけてください。

6.  まとめ

トレードは、続けてさえいれば、嫌でも上達するのですから、利益は出るようになってきます。そして、ルールを構築したり、コツをつかんだりすると、ブレイクしたかのように大きく勝てるようになる時期がくるでしょう。

FXで不幸になるのではなく、幸せになりたいものです。勝ち方や、利益の大きさは物差しにはなりません。FXをやったことで、あなたの幸福度が上がれば良いのではないでしょうか。それが、幸せなFXとの付き合い方です。

まず大損しないことが、何よりも大切です。改めて、FXのリスクを認識してください。