パーフェクトオーダーとは、短期・中期・長期の移動平均線がキレイに並んだ状態のことです。
トレンド相場で発生するため、もしパーフェクトオーダーを見つけることができれば、トレンドフォローのデイトレードが面白いほど勝てるようになります。それなのに、難しいことはなく、移動平均線を表示しておくだけで見極めることができます。
パーフェクトオーダーは、FXの基本で、私のデイトレード手法の根底をなすチャート分析です。具体的な活用方法も書きましたので、参考にしてください。
1.パーフェクトオーダーとは?
パーフェクトオーダーをチャートで見ると、次のようになります。上昇トレンドで、移動平均線の黄色が短期、青が中期、赤が長期です。
このチャート設定は、実際の私が使っているものです。移動平均線の期間は、次のように設定しています。
短期:25
中期:75
長期:200
ローソク足が先導して上昇し、それに続いて短期の移動平均線、中期、長期という順番ですね。これが、パーフェクトオーダーです。期間が短い移動平均線ほど、直近の値動きに影響されます。
期間が25だと、直近25本のローソク足の平均値と考えてください。200だと200本のローソク足の平均なので、短期であるほど、より現在のプライスに近くなるということです。そのため、上昇トレンドが発生すると、上から「ローソク足→短期→中期→長期」の順番になります。
1.1. 移動平均線がならぶ順番
このように、パーフェクトオーダーは「移動平均線の順番のこと」で、移動平均線の位置関係を示した用語です。
オーダーというと、注文方法を思い浮かべるかもしれません。オーダーには、「順序」や「秩序」という意味があります。パーフェクトオーダーと直訳すると、「申し分のない順番」「素晴らしい順序」という意味ですね。
トレンドが発生したとき、移動平均線がキレイな順番をキープしている状態と言えます。
詳しくは後述しますが、トレンドが発生すると必ずパーフェクトオーダーになります。そのため、今がトレンドなのかそうでないのか、シンプルに判断することができます。
下降トレンドの場合は、上昇トレンドとは逆で、移動平均線は次の順番になります。
下から、
①ローソク足
②短期
③中期
④長期
なお、移動平均線の種類は、なんでもOKです。
私はEMA(指数平滑移動平均線)を使いますが、SMAや普通のMAでも見方は同じです。また、移動平均線の本数は、3本ではなく、4本や5本でもOKです。たとえば、短期2本、中期2本、長期1本の合計5本の移動平均線を使ってもいいです。
さらに、移動平均線の期間についても、どの期間を使っても問題ありません。私は25EMA、75EMA、200EMAを使っていますが、「5、20、50」や「10、50、120」でも、何でもOKです。
本数を5本にして、期間を「10、25、50、75、120」にしてみると、次のようになります。
5本の移動平均線が並んでいますね。
何本の移動平均線を使おうが、トレンドが発生すると、必ずパーフェクトオーダーになります。移動平均線の設定を問わず、順番がそろっていれば、パーフェクトオーダーということです。
1.2. メリットはトレンドがはっきり分かること
少し触れましたが、パーフェクトオーダーのメリットは、何と言っても「トレンドがはっきり分かること」です。トレードで利益を上げるには、まずトレンドとレンジの認識をすること(=相場環境の認識)が最重要です。
その上で、今日どんなトレードをするのか、戦略を立てていきますよね。
つまり、相場環境の認識ができなければ、何をやっても勝てないということです。そうならないよう、チャートを開いたら、最初にチャート分析をします。このとき、パーフェクトオーダーが発生しているのか、そうでないのか、これをチェックするだけで簡単に分析ができるようになります。
さらに、パーフェクトオーダーになっている箇所で、「移動平均線の傾き」を是非チェックしてください。なぜなら、移動平均線の傾き(角度)が、そのトレンドの強さになるからです。
私は3本の移動平均線を使うので、3本が急角度なら強烈なトレンド、緩やかな角度ならゆっくりとしたトレンドということです。
また、短期だけ急角度で、中期や長期がまだ緩やかなら、短期的なトレンドになります。中期と長期が、短期に追いつけないほど勢いがある値動きということですね。
上図のように、3本がほぼ同じ角度で進んでいるときは、安定したトレンドが発生している証拠です。このようなパーフェクトオーダーは、「トレンドフォローで利益を上げる絶好のチャンス」と言えるでしょう。私が得意とするパーフェクトオーダーです。
2.パーフェクトオーダーでできる6つのこと
それでは、パーフェクトオーダーをトレードに活かすため、具体的な使い方を見ていきましょう。
2.1. 相場の流れが丸わかり
パーフェクトオーダーは、トレンド発生時の典型的なパターンです。
さらに、3本の移動平均線が同じ角度で進んでいたら、そのトレンド勢いや値幅がすぐに分かります。このとき、パーフェクトオーダーでない部分も注目してください。
下図のように、移動平均線の傾きが3本ともバラバラで、ローソク足と絡み合っている箇所があるはずです。このようなパーフェクトオーダーではない箇所は、レンジ相場(もみ合い部分)と考えていいでしょう。
レンジになっている箇所の「移動平均線の傾き」と「ローソク足の位置関係」を見てください。
まず、3本の移動平均線は、向きがバラバラですね。短期と中期は上向きなのに長期は水平であるなど、パーフェクトオーダーではないことは確かです。
次に、移動平均線とローソク足の位置関係をチェックします。
パーフェクトオーダーの部分は、ローソク足が先導してトレンドを作っていますが、レンジ部分はローソク足と移動平均線が絡み合っています。特に、チャート上の右側のレンジ部分は、移動平均線の中にローソク足が挟まれていて、行き場を失っています。このような箇所は、「方向感のないもみ合い相場」になります。
相場には、トレンドとレンジの2種類しかありません。
パーフェクトオーダーを意識することで、そうでない部分も浮き彫りになるため、レンジとトレンドの2種類のすみ分けが明確になります。つまり、現在の相場環境が丸分かりです。
チャートを開いたら、パーフェクトオーダーだけでなく、パーフェクトオーダーではない箇所も、ぜひチェックしてみてください。そのためには、まずパーフェクトオーダーとは何かを知ることが重要です。
2.2. ローソク足に惑わされなくなる
ローソク足は、高値と安値の切り上げや切り下げが激しく、一見するとゴチャゴチャしています。
そのため、初心者の方が、ローソク足だけを見てチャート分析をするのは難しいでしょう。そこで、パーフェクトオーダーを活用すると、チャート分析が驚くほど簡単になります。
なぜかというと、移動平均線は1本の線でできているからです。ローソク足だと、大きさの違う棒をバラバラに並べた感じになり、チャート上に何百本もローソク足がありますよね。1本ずつ詳しく分析するのは不可能ですし、何よりも複雑で見にくいです。
しかし、移動平均線はたった1本の線なので、ゴチャゴチャ感は一切なく、いたってシンプルです。
下図は、ローソク足を消して短期・中期・長期の移動平均線だけを表示してみました。
3本のラインだけなので、値動きが優しい感じがしますね。
チャートの左端から右端まで、見落とすことも無く、全体を見ることができます。これならFX初心者でも抵抗なくチェックできるのではないでしょうか。ローソク足に惑わされることが一切無くなります。
そして、パーフェクトオーダーとそうでない箇所を見るようにしてください。
Aは、3本が収束してレンジ相場だと分かります。Bはパーフェクトオーダーですね。特に、3本の移動平均線が拡大し始めていますので、「これからトレンドが発生するかも?」と心の準備ができます。
ローソク足があると分からなかったことが、ローソク足を消して移動平均線だけを出してみると、3本の傾きをより意識することができ、パーフェクトオーダーがよく分かります。
このように、パーフェクトオーダーはローソク足と同じくらい重要です。
パーフェクトオーダーで大きな流れをチェックし、細かい高値と安値はローソク足で分析するなど、併用すると深いテクニカル分析ができるようになります。
ローソク足とパーフェクトオーダーで、相場環境を把握する2重チェックの仕組みを作りましょう。
2.3. ラインが引きやすい
FXでは、ライン分析(トレンドラインや水平ライン)は基本です。
トレードルールに組み入れるかは、好みになります。ただ、相場の基本であるが故に多くのトレーダーがラインを引き、サポートやレジスタンス付近で売買するので、ラインが機能する場面が少なくありません。
そして、パーフェクトオーダーを認識できると、ラインがものすごい簡単に引けるようになります。引き方はいたって簡単で、移動平均線に沿ってラインを引くだけです。これだけで、機能するラインを引くことができます。コツは、短いラインではなく、長いラインを引くようにすると良いでしょう。
下図を見てください。
水平ラインとトレンドラインを引いていますが、どちらも移動平均線に沿っています。特に、トレンドラインは、上昇トレンドが発生している箇所で、パーフェクトオーダーになっている点に注目です。
パーフェクトオーダーの角度がそのトレンドの勢いである、という点は上述しましたが、同じ角度でトレンドラインを引くようにします。そうすると、トレンドの流れや値幅が明確になり、安値も分かりますね。
どこで押し目を作っているのか、どこで反発しているのかなど、細かい分析が可能になります。
まとめると、チャートを開いたら、ローソク足とパーフェクトオーダーをチェックし、さらに、パーフェクトオーダーに沿ったトレンドラインを引くと良いでしょう。このとき、短期(25)と中期(75)はグニャグニャしてまっすぐでない場合が多いので、長期(200)に合わせてください。長期は、上下動せず、比較的まっすぐなラインになっているからです。
迷ったら長期と同じ角度でトレンドラインを引く、と覚えておくと便利です。
2.4. トレンドフォローができるようになる
FXに限らず、投資の王道はトレンドフォローです。
「安く買って高く売る」「高いときに売って安くなったら買い戻す」これは、投資の鉄則ですね。儲けるためには、このトレンドフォローを行なえばいいのです。FXなら、トレンドが発生した通貨ペアを買い、上がったら売ります。
そして、パーフェクトオーダーを認識すると、トレンドフォローが簡単にできるようになります。
ローソク足だけ見ていると、トレンド発生時でも、一時的に下落して陰線が出るなど、迷ってしまう場面が多々あります。しかし、パーフェクトオーダーをキープしている間はトレンドが継続している証拠なので、一時的な下落があっても迷いが無くなります。
シンプルに、パーフェクトオーダーならトレンド、そうでないならレンジ、という判断ができるので、自ずとポジションも取りやすくなります。
方向性を把握したら、あとはエントリーとイグジットのポイントを絞るだけです。
上昇のパーフェクトオーダーなら買い戦略、下降のパーフェクトオーダーなら売り戦略です。最もシンプルなトレンドフォローができるようになります。
パーフェクトオーダーの見極めができれば、トレンドフォローができるようになると知ってください。実際にトレードしてみると、パーフェクトオーダーを活用すると大局が一目で分かり、難しい判断が不要なので、疲れることがありません。
2.5. トレンドの第二波に乗れる
パーフェクトオーダーを活用するとき、トレンドの最初から最後までトレードするのではなく、ポイントを絞ってエントリーすることがおススメです。天井から底まで取ろうとすると、ダマシにひっかかったり、無駄なトレードが増えます。
そうではなく、トレンドの中でも、一番利益を上げやすいポイントでトレードするようにします。
そのポイントは、「トレンドの第二波」です。
パーフェクトオーダーが形成され、3本の移動平均線が拡大し始めたときは、トレンドの出始めの可能性が高かったですね。しかし、本当にトレンドが発生するかは、分かりません。
そこで、パーフェクトオーダーになって実際にトレンドが発生するまで、待てばいいのです。下記チャートを見てください。
トレンドの出始めが第一波だとすると、この第一波でトレンド発生を確実に予測するのは、難しいでしょう。
確かにパーフェクトオーダーになり、3本の移動平均線が拡大し始めています。だからといって、上にブレイクするかは別の問題です。案の定、レジスタンスラインで一度反落していますね。
そこで、実際にトレードするのは第一波でなく、第二波にします。
そうすると、トレンドが発生した事実を確認したあとにエントリーできるので、トレードの勝率が格段に上がり、利益確定と損切りのポイントも決めやすくなります。結果、ルールも守りやすく、驚くほど成績が安定します。
第二波で、レジスタンスラインをブレイクする前にエントリーするか、ブレイク後にエントリーするかは、その時の相場で考える必要があります。ここでは、パーフェクトオーダーが出たら、第二波を狙うようにするとデイトレードで勝てるようになる、とご理解ください。
2.6. どの通貨ペアでも同じ設定でOK
FXは、通貨ペアによって値動きが異なります。
ポンドのようにボラティリティが高いもの、新興国通貨のように変動幅がないものなど、FXは通貨「ペア」なので、2国間通貨の組み合わせによって、値動きが一つずつ異なります。
また、時間帯によって売買が増減するなど、通貨ペアの特徴があります。そのため、通貨ペアが異なれば、分析方法が変わります。ドル円には機能する分析でも、ユーロ絡みの通貨ペアには通用しないなんてことは、多々あります。
しかし、パーフェクトオーダーの見方に関しては、どの通貨ペアでも同じです。
トレンドが発生すればパーフェクトオーダーになる
これは変わりません。価格が上昇すれば、ローソク足が陽線になるのと同じ理屈です。上昇しているのに、陰線になることはないですよね。トレンドが発生しているのに、短期の移動平均線は下向き、中長期は上向きということはありません。
もちろんトレンドの一時的な下落があれば、短期だけ下向くことはありますが、移動平均線の仕組みとして、トレンドが発生するとパーフェクトオーダーになるということです。
下図は、通貨ペアの中でもボラティリティが異常に高い、ポンドニュージーの30分足です。
3日で300pipsほど上昇していますが、これは珍しいことではなく、トレンドが発生するとこれ位の値幅は出してきます。
そして、トレンドが発生している箇所は、パーフェクトオーダーになっていますね。ボラティリティがどんなに高くても、パーフェクトオーダーになります。
次に、新興国の通貨ペアであるトルコリラ円の週足を見てください。
下降トレンドが続いていますが、3本の移動平均線はパーフェクトオーダーですね。
トルコリラは、政治経済の情勢など、ファンダメンタルで突発的な値動きがある通貨です。それでも、トレンドだとパーフェクトオーダーになります。
このように、FXの通貨ペアなら、パーフェクトオーダーはどの通貨ペア、どの時間軸のチャートでも同じように形成されます。トレンドとレンジの見極めが簡単になるので、あとは他の判断根拠を組みあわせることができます。
3.注意点とデメリット
これまでは、パーフェクトオーダーの見方および使い方を見てきました。
次に、注意点とデメリットを2つ確認しておきましょう。どんな分析ツールも、メリットがあればデメリットもあります。
3.1. パーフェクトオーダー≠トレンド
トレンドが発生すると、パーフェクトオーダーになる点は上述してきました。
つまり、「トレンド=パーフェクトオーダー」になります。しかし、パーフェクトオーダーになったからといって、必ずしもトレンド発生とは限りません。この違いを、しっかり認識しましょう。
・トレンド=パーフェクトオーダー
・パーフェクトオーダー≠(ノットイコール)トレンド
下図のように、パーフェクトオーダーになっても、すぐに反転してもみ合いになる場合もたくさんあります。
パーフェクトオーダーになっても、トレンドが発生するとは限りません。
そのため、パーフェクトオーダーだけでトレードしようとすると、ダマシに合うことが多くなります。期待しているような、大きなトレンドで、綺麗なパーフェクトオーダーはそう多く発生しません。良いパーフェクトオーダーが出るまで、しっかり待つ必要があります。
パーフェクトオーダーは、あくまでも大局をつかむための分析方法であり、それ単体でトレードルールにするのは難しいので、注意が必要です。エントリーポイントまでたどり着くには、他のテクニカル分析と組み合わせるなどしましょう。
3.2. 鉄板のパーフェクトオーダーは存在しない
パーフェクトオーダーは、移動平均線の順番と傾きが重要です。
価格の方向を示しているという意味では、チャート上のローソク足と同じような役割です。ローソク足だけ見ても、これは鉄板だと言えるトレードルールを作るのは難しいですよね。
それと同じで、パーフェクトオーダーだけでトレードルールを作ることはできないとお考えください。
大事なことは、どんな状況でパーフェクトオーダーになっているのか、総合的に判断することです。
たとえば、
・パーフェクトオーダーが形成されているチャートの時間軸
・サポート帯やレジスタンス帯はどこか
・重要な経済指標はいつか
・他の時間軸のトレンド方向はどうか
などです。
パーフェクトオーダーたった一つが、万能の分析ではないので、誤解のないようにしてください。
ただし、パーフェクトオーダーを他の根拠と組み合わせると、ものすごい効力を発揮します。実践的な使い方は、次章で説明しますね。ここでは、パーフェクトオーダー単体で、必ず勝てる場面を見つけることはできないとご理解ください。
4.使い方のコツと実例
デメリットを説明すると、「なんだ、使えないのか。」と感じるかもしれません。
FXでは、どんなテクニカル分析もメリットとデメリットがあります。デメリットがない分析方法を探そうとすると、永遠に勝てないので注意してください。
重要なことは、「デメリットをカバーし、メリットを生かす使い方を、自分自身で行なうこと」です。
そこで、パーフェクトオーダーをどのように活用すればいいか、2つの事例を紹介します。とても簡単で、ちょっと応用するだけで、エントリーポイントが分かるようになります。ほぼ私のデイトレード手法なので、ぜひ覚えてください。
4.1. 上位足と下位足を組み合わせること
上位足とは、今見ているチャートの時間軸より、長い期間の時間軸です。
私は、トレードの全てにおいて、15分足を基本にしています。15分足を基準にすると、30分足・1時間足・4時間足・日足・週足が上位足です。逆に、15分足よりも短い1分足・5分足を下位足と言います。
一つの時間軸だけを見ても見落として出るため、必ず上位足を見るようにします。
たとえば、15分足ではパーフェクトオーダーだとしても、日足ではレンジ相場だった、なんてことは頻繁にあります。そのため、下位足と上位足をセットで観察し、総合的に判断します。
そして、この考え方を「マルチタイムフレーム」と言います。
多くの時間軸を見る、ということですね。
下図は、ユーロドルの日足です。
長い間、下降のパーフェクトオーダーが出ていますね。長期(200EMA)は一度も水平にならず、ずっと下向きです。日足なので、何年も下降トレンドであることがはっきり分かります。
そして、Aを見てください。
ココは、戻りをつけてからパーフェクトオーダーに回帰したポイントです。再びパーフェクトオーダーになったので、さらに下降トレンドを強めるのではないか、と想定できるポイントです。
Aのポイントを、下位足である15分足を見てみましょう。
綺麗なパーフェクトオーダーですね。
もし15分足だけ見ていても、パーフェクトオーダーであることは分かりますが、どれほどの強さなのかは認識できません。しかし、上位足である日足でパーフェクトオーダーに回帰したポイントなので、下落していくのは自然と言えます。
なぜなら、上位足も下位足も同じ方向だからです。上位足でも下位足でも、下降のパーフェクトオーダーですよね。
方向性が一致しているので、下げる確率が高いということです。これが、日足が上昇のパーフェクトオーダー、15分足が下降のパーフェクトオーダーだとしたら、どっちに進むのか分からないです。
もちろん上位足と下位足が同じ方向だから、必ず下げるというわけではありませんが、「確率としては下げる方が高い」です。相場を100%予測することはできませんので、「確率の高い方向へベットする」ようにします。その見極めを上位足と下位足のパーフェクトオーダーで見極めるようにしてください。
チャートをパッと見てできる判断方法なので、とても簡単です。
このように、パーフェクトオーダーが出た時に、上位足と下位足をセットで判断するようにしてください。それがマルチタイムフレームの考え方です。
今回は15分足と日足でしたが、5分足と1時間足でも構いませんし、1分足と5分足のようなセットでもいいでしょう。一つの時間軸だけで判断しない、ということです。
4.2. ラインを2本引こう
上位足と下位足をセットで見ると、大局を把握できます。
次に、エントリーするために、具体的な分析をしていきます。このとき、ラインを引いてエントリーポイントを絞っていくのがおススメです。なぜなら、上述してきたように、パーフェクトオーダーを把握していると、ラインを引くのがとても簡単だからです。
パーフェクトオーダーさえ把握しておけば、ラインを引くだけでエントリーまで絞ることができます。1本ではなく、2本のラインを引くと良いです。
下記チャートは、ポンドドルの4時間足です。
Aでパーフェクトオーダーが顕著になっていますが、それまでもパーフェクトオーダーだったので、上昇トレンド回帰です。3本の移動平均線が拡大し始め、ローソク足が先導して上昇しています。
ただ、Aの部分だけを見ても上昇するかどうか分かりませんし、どこでエントリーしていいか迷いますね。
そこで、Aのポイントを、下位足の15分足で見てみましょう。
15分足の方もパーフェクトオーダーですね。
さっそく2本のライン引いて見ると、水平ラインとトレンドラインを引くことができます。水平ラインがレンジスタンスになり、移動平均線に沿ったトレンドラインで安値を切り上げていることが分かります。上位足の4時間足がパーフェクトオーダーで、下位足の15分足もパーフェクトオーダーです。
どちらもパーフェクトオーダーなので、マルチタイムフレームの考え方では、上昇する確率が高いことが分かります。そのため、水平ライン(レジスタンスライン)をブレイクする予測ができるので、このようなポイントで買いポジションを持つことができます。
上位足も下位足も、同じ向きのパーフェクトオーダーというのがポイントです。さらに、2本のラインを引き、ブレイクするポイントを見極めることができるのです。
実践では、上述のようにパーフェクトオーダー単体で使うのではなく、マルチタイムフレームの考えをもとに、ラインと組み合わせるとトレンドフォローが簡単にできるようになります。なお、ラインだけなく他のインジケータを組み合わせてもいいので、いろいろ試してみてください。
5. まとめ
パーフェクトオーダーは、チャートをパッと見て判断できるので、とても簡単なチャート分析方法です。それなのに、相場の流れをしっかり把握することができ、少し練習するだけでトレンドフォローのデイトレードができるようになります。
今までパーフェクトオーダーを意識していなかった方は、トレンドが発生している箇所をチェックしてみてください。「トレンド発生=パーフェクトオーダー」が分かるはずです。
なお、パーフェクトオーダーを使ったトレード方法は、デイトレード手法を参考にしてください。そして、トレンドに乗って利益を上げる感覚を、ぜひ身につけてください。