クロス円をトレードするとき、その通貨ペア単体で判断するのが普通です。たとえば、豪ドル/円をロングするにあたり、根拠は豪ドル/円が上がりそうだからです。一方、豪ドル/米ドルとドル円が上がりそうだから、豪ドル/円をロングする方法もあります。これは、「ドルストレートを合成してクロス円にする」ポジションの取り方です。
この「ポジションを合成する」のは、意味が分からないかもしれません。
チャートで考えてみましょう。
まず、昨日のポンドドル1時間足です。
昨日は、前日からパーフェクトオーダーが継続していますから、目線は「下」です。反発狙いのロングもできますが、相場の流れは「下」です。ポンドドルはドルストレートですね。
では、クロス円のポンド円1時間足を見てみましょう。
ポンド円も、移動平均線は前日からパーフェクトオーダーですから、流れは「下」です。トレンドフォローするとき、ショートになりますね。では、ポンドドルかポンド円の、どちらをショートしたらいいでしょうか? 2つの通貨ペアで迷うことはよくあります。
そんなときは、もう一つのドルストレートである、ドル円をチェックします。
下記チャートは、1時間足です。
ポンドドルやポンド円と異なり、パーフェクトオーダーではありませんから、流れは「下」とはいえません。どちらかというと、ネックラインを上側にひかえ、「もみ合い」の局面です。もみ合うなら、「上がったら下がる」のですから、前日まで上げましたので多少下がる可能性があります。
3つの通貨ペアをまとめると、
ポンドドル → 下
ポンド円 → 下
ドル円 → どちらかというとやや下
このとき、どれが一番値幅が出るかというと、クロス円です。クロス円はドルストレート2つの合成ですから、ポンドドルとドル円が下なら、ポンド円はさらに下落します。ポンドドルかポンド円のどちらをショートするか迷ったときは、ドル円をチェックして決めます。
もしドル円が上昇すると判断したら、「ポンドドル下、ドル円上」ですから、ポンド円は動きません。ポンド円をショートするよりも、ポンドドルをショートした方が勝ちトレードになるのです。上記の場合、ポンドドルもドル円も下ですから、ポンド円をショートした方がいいわけです。
ポンドドルとドル円のドルストレートを合成して、「クロス円であるポンド円でポジションを取る」のです。このように、合成してクロス円でトレードする考え方もあります。
ちなみに、昨日の同じ場面で、ポンド円のオシレーター系インジケーターであるRCIは、4時間足レベルで買われ過ぎにありました。下記チャートが4時間足です。
ドルストレートが2つとも下目線、さらに、クロス円であるポンド円のオシレーター系が買われ過ぎであり、ローソク足も戻りを示唆しています。このように総合的に判断してポジションを取ることもできます。ドルストレートとクロス円を比較し、一番トレードしやすい通貨ペアで入るようにしましょう。トレードしやすいとは、値幅が出るとか(損益率がよくなるので)、ラインがぴったり引けるとか、です。
いろいろと通貨ペアを比較し、情報を引き出せるようになりましょう。