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スキャルピング|得意な相場と苦手な相場

スキャルピングを始めてから17年ほどたちます。時間の経過とともに、スキャルピングとの距離感、期待するもの、取れるリスクなど変化していきます。全ては相場次第ではあるものの、スキャルピングに対する取り組み方は、常に同じというわけではありません。取り組み方は形がないもので、わかりにくいのですが。

一方、テクニカル的なハード面でわかったこともあります。それは、「得意な相場」と「苦手な相場」があることです。最初から意識できることではなく、長年トレードを続ける中で徐々にわかってくるものです。こういう場面で損してきた、利益を出してきた、というものです。

【得意な相場】
①値幅のある短期トレンド
②押し目や戻りがある
③エンベロープのゾーン5に到達

簡単に言うと次のようなチャートです。

第1波で終わることも多いのですが、戻りをつけて第2波、第3波としっかり値幅を出しています。戻りがあるとラインも引きやすく、スキャルピングしやすいです。また、上昇トレンドより下降トレンドのほうが得意です。往々にして、上昇より下落のほうが、短時間で値幅が出るからです。今後も、このようなチャートで利益を上げていきたいと思えます。

一方、苦手な相場は次です。

【苦手な相場】
①膠着した相場
②トレンドでもだらだらと進む
③上下に大きく何度も振れる
④急騰急落したのにレンジ
⑤ブレイクしそうでしない
⑥節目に到達して上下のヒゲ
⑦一直線の強いトレンド

たとえば次の相場です。
Aで急騰したのに下へ振ってきて、さらにもみ合い。Bも同様で下から上に振ってきます。そのあとはレンジか、だらだらと下げています。結局ブレイクもなく、ABの局面だけ一直線の動きです。

あるいは、次のようなトレンドです(かなり前のチャートを抜粋)。Aまで一方向に下げ、数本の戻りがあったと思ったら第2波以降がなく膠着。

得意な相場、苦手な相場がわかったら、やることはシンプルです。得意な場面でトレードすること。苦手な相場でトレードしないことです。ただ、一つ問題があり、チャートの形は後からしかわからないことです。これから得意なチャートパターンが出るとは絶対にわからないのです。そこで何をすべきかというと、トレンドが発生したら、どのようなチャートになるのかイメージすることです。

イメージというと曖昧ですが、チャートがその形になったらエントリーする、ならなかったらエントリーしないという待ちの姿勢です。言い換えると、これは上がりそう、ここからは下がるだろう、とイメージできる形が出るまで待つのです。そのためには、いろいろなパターンを知っておくこと。1分足の短期トレンドにはこのような形が出るのか、という経験値です。

もちろん実際に得意なパターンになるかはわからないのですが、知っておくとそうなるまで待てるようになるのです。先走って、こうなるだろうという早期エントリーが減ります。

まずは、得意・苦手なパターンを認識することです。そのためには、過去チャートをしっかり分析して積み上げていきます。分析するだけのトレード量も必要になります。データがなければ認識できません。最初は、とにかくトレードをこなすことが重要です。質より量で、得意・苦手なパターンがわかってきたら、量より質になるでしょう。質が良いと根拠のあるトレードができるので、なんとなく手法もできるようになります。

スキャルピングは感覚でトレードしがちで、それも悪いことではありません。しかし、得意なチャートとそうでないものを自分で認識しているほうが、有利になるでしょう。生き残る確率を少しでも上げるために、簡単にできる自己分析です。