エントリーするときに、利益確定と損切りのポイントは、おおよそ決めていますか?
数十分以上ホールドするデイトレードのときは、必要です。逆に、スキャルピングは、「ココで決済する」というポイントを見つけるのは大変です。私は、利が乗ったら利益確定、逆行したら損切りするので、その瞬間で考えています。
スキャルピングでは、大きく動いたいときは、分割してエントリー、分割してイグジットするので、10分位ホールドするときはあります。ただ、スキャルピングで10分を超えてホールドすることは、ほとんどありません。どんな含み損益でも、10分位経過すると、上下どちらかに動いているので、決済します。
スキャルピングではなくデイトレードの場合は、ホールド時間が長くなるので、「利幅」「損切り幅」を決めなくてはなりません。エントリー前にかなり意識していることは、「損益率」です。
損益率は、最低でも「リスク1:リターン1」です。通常は「リスク1:リターン2」以上になることを意識しています。やると分かりますが、損益率を上げようとすると、トレード回数は激減します。
※それでも、FXならそれなりの回数になります。損益率を意識しないとスキャルピングみたいに回数ありきのトレードになってスプレッド負けします。
損益率を良くしようとすると、エントリーまでのプロセスで、損切りを先に考えるようになります。これはメリットです。できれば損切りなんて考えたくないですよね。でも、損切りを先に考えておくと、いざ含み損になった時に損切りできるようになります。
次のチャートは、ポンドニュージーの15分足です。
Aの長い上ヒゲは、経済指標です。
目安となる高値ができました。そのあと、Aのラインが意識されたのが、Bです。Bは、ピッタリ反落しています。そうなると、ヘッド&ショルダーズのショルダーになります。
ここまで、ヘッド&ショルダーズになったのは、あくまでも結果論です。AB間でトレードするのは、私は難しいです。しかし、Bで反落したときに、ショルダーができたと気付くので、ようやくそのあとトレードの準備ができます。
Cに到達したとき、ショルダーを上抜けるか、それとも反落するか、分かりませんよね。ロングかショートか、全く分かりません。そこで、損益率を意識します。Cにきたときにすぐエントリーするのではなく、Cでどのように反応するのか(どんな値動きになるか)、少しの間確認します。
5分足を見てみます。
※ABCは、15分足のABCと同じポイントです。
Cにきたとき、ちょっと上抜けましたが、すぐに反落してショルダーより下に落ちてきました。このとき、上抜けできない可能性がでてきましたので、ショートが想定できます。実際に下がるかは、未知数です。ただ、Cで上抜けできなかった事実があるので、少しだけ下げやすくなりました。ここで、損益率を考えます。
ショートした場合、Cよりちょっと上で損切りすればいいですね。損切り幅は少しです。-15pips~-20pips位でしょう。Cで反落した事実を確認したので、損切りを決めやすいです。事実を確認したとは、Cにあたったあと、ローソク足が形成されるまで待った、ということです。このように、損切り幅が簡単に決められる場面です。先に損切りを決めておくと、あとは利幅を考えるだけです。
利益確定のポイントは、(チャート右端の)①か②が妥当でしょう。ここでは、上位足は考えないことにします。このチャートだけで考えています。
①の場合、利幅は+20pipsほど、
②の場合、利幅は+70pipsほど、
です。
どちらが正解というのではなく、損益率を最低でも1:1以上にするのが大事ですから、①より手前で利益確定するのは、ダメです。少なくとも①まではホールド、頑張って②までホールドできれば、ナイストレードでしょう。②までホールドすると、損益率が「リスク1:リターン3」だからナイスです。
このように、デイトレードのように長めのホールドになるトレードは、「損益率」がものすごい大事になります。エントリーするときは、常に、「損益率に問題はないか?」と問いかけてみてください。どこでエントリーするかなんて、正直関係ありません。相場はランダムに動いていますから、エントリーポイントの正解はないです。ただ、Cのような「テクニカル的に説明できる箇所で」、「損益率の良いエントリーをする」ことで、デイトレードはトータルで勝てるものです。
※Cで反落したあと、ロングしたらどうでしょうか。
損切りは、①のラインでしょうか。②だと-70pipsになってしまいます。利益確定をヘッド&ショルダーズのヘッドにすれば損益率は1:1になりますが、ショルダーを上抜け失敗したので、テクニカル的にNGです。