今月は、相場がよく動きました。
FXは、ロングもショートも同等にできますから、暴落だろうが急騰しようが、トレードチャンスです。株だと、上がること前提で買いますからそうはいきません。為替市場は、乱高下してボラティリティが高まると、短時間で利幅が取れます。
では、今月は値幅を伴った短期トレンドがどれ位あったのでしょうか。移動平均線からどれほど乖離したのかは、エンベロープの5つのゾーンで調べることができます。そして、移動平均線から乖離すると、反転するので逆張りができます。
まず、4/3(木)5時ころ、トランプ関税発表があり暴落しました(下記チャート)。

エンベロープを5つのゾーンに分けています。一番外側のゾーン⑤は、移動平均線から一番乖離しており、強いトレンドのときしか到達しません。チャートのAとBのポイントです。一時的にオーバーシュートした相場は反転しますから(1分足レベルで)、逆張りの勝率が高くなります。5つのゾーンのうち、⑤はかなりの勝率になります。勝率は、体感80%以上です。AとBもゾーン⑤に到達して反発していますね。逆張りすれば勝ちトレードになります。
※チャート設定やエンベロープの逆張りについては、次の記事をどうぞ。
このように、今月のドル円で、ゾーン⑤まで到達した相場を見てみます。実際に、高確率で反転したのでしょうか。次にゾーン⑤に到達したのは、4/4(金)20時で、中国が報復措置を取ったときです(下記チャート左側)。1時間で170pips下げました。

ヘッドラインが出て、いきなり下げ出したのでしょう、大きな戻りがなく急落しています。その中でも、オーバーシュートしてゾーン⑤に到達したのは、Aのポイントだけです。ここはゾーン⑤でしっかり反発しました。
次がその4時間後の24時。
ベトナム関税ゼロにするという発表でした。上記チャートのBのポイントです。上限のゾーン⑤に到達し、ここも反落しています。
次は、翌週の4/7(月)大きなギャップダウンからスタートした7時ころです(下記チャート)。週末に、世界的貿易戦争懸念が拡大したのが主な要因です。Aでゾーン⑤に到達し反発しています。

次は同じ日の23時ころで、中国以外の関税を90日間停止を表明したときです(下記チャート)。Aでゾーン⑤に到達し、結果的に反落していますが、ゾーン⑤到達してからすぐ反落するのではなく、陽線が4本続き、さらにゾーン⑤の外側を上抜けています。ですから、渦中ではゾーン⑤をバンドウォークする可能性もあったため、逆張りで勝てるかは別問題です。

わたしはこの時、下目線だったのか、数本は含み損に耐えて大きめの利幅を取っています。反転する確率は高いので、損切り幅を広げたり、分割売買をするなどしてブレに対応するのが良いでしょう。分割売買は必須です。
そして、次が今月一番動いた場面です(下記チャート)。4/10(木)深夜2時ころで、報復措置を講じていない国に対して9日間関税の停止を承認したときです。AとBがゾーン⑤に到達した場面ですが、簡単にゾーン⑤を突き抜けています。突き抜けたAだけで、150pipsあります。

かりに損切りしなかった場合、最大-150pipsになりますから、それまでの利益が吹き飛ぶことになります。結果的にAの直後で100pipsの押し目があるので、分割売買をしていれば損益はプラスまで戻るかもしれません。しかし、Aの最初にあたるゾーン⑤にはいったときにショートしたポジションは、-150pipsまでいきます。ですから、損切りの重要性を再認識させられる場面です。
では、ゾーン⑤はあてにならないかというと、そうでもありません。もちろん突発的な値動きはファンダメンタルによりますから、エンベロープなどあてになりません。リスクを取ってエントリーするポイントは、第2波以降のゾーン⑤です。たとえば上記チャートだと、AではなくBの箇所です。押し目をつくった後のゾーン⑤は、第1波で値幅の基準が形成されたあとになり、エントリーしやすいからです。
値幅の基準とは、Aと同じような値幅が、押し目以降の第2波も出る可能性があります。押し目は反落ですから、第2波でそのまま急騰し続けることはなく、第2波のあとも押し目をつける可能性が高くなります。押し目をつける、つまり、反落するので逆張りが有効ということです。
一番最初のチャートだと、Aよりも、戻りをつけたあとのBの方が期待値は高いということです。二番目のチャートだと、BよりもAです。このように、トレンドの出始めではなく、第2波のように、トレンドのあとになるにつれて期待値は上がっていきます。
次の記事で、4/11以降のチャートを見ていきます(つづく)。