デイトレードは、ポジションを数時間ホールドします。
イグジットするときに、建値決済することがよくありますが、建値にいたるまでのプロセスが重要です。ホールド中、どんなプロセスで建値に至ったのか、ということです。
建値になる場合、2つが想定できます。
エントリー後、
①含み損から回復する場合
②含み益がなくなる場合
どちらも、「含み損益ゼロの状態」に戻るので結果に差はありません。しかし、同じ建値決済でもこの2つは全く違ったプロセスです。①はプロセスとしてはダメで、②はOKと考えています。
2つの場面を比較してみます。
次のチャートを見てください。
①含み損からプラマイゼロに戻った「含み損益ゼロ」
Aでエントリーし、Bでイグジットしたとします。
プラマイゼロですから損はありません。しかし、ホールド中は含み損です。エントリーして含み益が出る想定ですから、逆行して含み損になったら損切りしなければなりません。戻るまで待っていると、戻らなかったときに大損します。
※損切りラインまで下落しなければ、損切りする必要はありませんが、ここではそれは考えません。
根拠が崩れているのに、戻るまで待つのがダメということです。結果的にプラマイゼロですが、そのプロセスは間違っています。また、このやり方を覚えてしまうと、損切りせずに何度も同じようなトレードをします。
もう一つのほうを見てみます。
②含み益から下落して「含み損益ゼロ」
Cでロングして、Dでイグジットしたとします。
エントリーしてから含み益が出ているので、これはイメージ通りの値動きといえます。結果的にプラマイゼロですが、エントリー自体は成功といえます。失敗したのは、あくまでも利益確定のタイミングであり、プロセスは間違っていないでしょう。
①の場合は、エントリーそのものが間違っていました。
ですから、プラマイゼロに戻るのを待つのではなく、損切りしなければなりません。②は、エントリーが正しく、含み益を伸ばそうとしたので間違っていません。損益は①も②もプラマイゼロですから、資産に差は出ません。しかし、トレード内容は全く違います。
トレードは、長年やっていると期待値通りの結果になります。偶然勝ち続けることはないのです。①のようなトレードばかりしていると、資産は増えないでしょう。イグジットしたときの「損益」だけにとらわれず、イグジットまでのプロセスが理にかなっているか意識したいです。
たとえ勝ちトレードでも、内容の悪いトレードかもしれません。逆に、損切りだとしても、良い損切りかもしれません。変なトレードの癖をつけないようにしましょう。