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ネックラインの役割2つ

相場は、トレンドとレンジの繰り返しです。言い換えると、「高ボラティリティ」「高リクイディティ」のあとは、「低ボラティリティ」「低リクイディティ」があります。

ネックラインが引けたとします。
ネックラインには、2つの役割があります。

①トレンドを止める
②トレンドを発生させる

ローソク足がネックラインにぶつかるとき、トレンドとレンジの、どの場面にあるのかが重要です。そうすれば、①②のどちらになるか、イメージできます。たとえば、短期トレンドが発生し高ボラティリティ・高リクイディティがしばらく続くと、ネックラインにぶつかったとき、低ボラティリティ・低リクイディティに推移しやすいです。そのきっけがネックラインということです(ネックラインがトレンドを止める)。

昨日のポンド円を見てみます。
まず、15分足です。

Aから安値更新し、さらにBまで高値更新ときました。ポイントは、Bでネックラインにぶつかったときです。ネックラインでトレンドが止まるのか、それとも上にブレイクしてトレンドがスタートするかです。すでにBまで3時間で190pipsほど上昇していますから、当日の高値Aを上抜けるには、かなりの買い圧力が必要です。

ここを1分足で見てみましょう。

Aが当日の高値です。
ネックラインがトレンドを止まるか、トレンドを発生させるかのどちらかといったら、止める方でしょう。既に「発生済」のトレンドがAの手前で最後の買いが入り、達成感があります。もちろんAで上抜ける可能性もあります。高値ブレイクして急騰もあるかもしれません。大切なことは、それまでの流れを見て、ネックラインがトレンドを止めるのか、それとも発生させるのか、どちらの可能性があるかを考えます。テクニカルで考えるから、逆いったときに「損切り」がしっかりできます。

では、昨日のドル円も見ておきます。
15分足です。

Aで安値をつけ、高値を更新してBで安値まで落ちてきました。ポンド円とは逆の値動きです。ポンド円と同じではなく、Bで完全に下抜けています。ネックラインの役目はどうでしょうか。Bで下降トレンドをいったん止めましたが(ただし、ネックラインは下抜けています)、Cでネックラインにぶつかってトレンドを発生させました。

ここを1分足で見てみましょう。
15分足のBCと同じです。

Bでは、ネックラインを下抜けていますがトレンドは小休止しています。下降トレンドは止まっています。ネックラインの上で止まるのではなく、ネックラインの下で止まることもあります。ここは惑わされやすいので、注意が必要です。ネックラインを下抜けたから、ネックラインがサポートとして機能していないわけではありません。Bでしっかり反応し、トレンドからレンジへ移行しています。ネックラインの上ではなく下であっただけです。

続いて、Cはレンジからトレンドへ移行するきっかけになりました。同じネックラインでも、Bは「トレンドを止める」、Cは「トレンドを発生させる」ポイントとなったのです。トレンド→レンジ→トレンドという基本の流れです。

ポンド円とドル円では、ネックラインが全て違う働きをしています。同じ相場はないので、その時の状況に合わせて判断しなければならないのがトレードです。既にトレンドが発生していて、ネックラインにあたったらトレンドが止まる可能性がある。逆に、レンジのときネックラインにぶつかり、そこからトレンドが発生する可能性がある。全ては可能性です。テクニカルで判断しますが、ネックラインはいつでも活用でき、ライン1本ですぐに引けるシンプルなツールです。