専業トレーダーになってから16年が経過し、わかったことがあります。それは、どれだけトレードをやっても満足しない、ということです。トレーダーに完璧はないからなのか、稼げる金額が少ないからなのか。はたまた、ゲームを続けたいからか。

生活費を稼ぐという目的もありますが、終わりのない戦を、ずっとやっているような感覚です。20代の頃は、稼ぐことしか頭にありませんでしたが、今はいろいろな思いがあります。

この記事では、16年間で変わったトレードの目的について考えてみます。

1.トレードは終わらない

経済的には、ようやく安心できる状態になりました。現金が潤沢にあるわけではありませんが、不動産収入があるため、FIREできる最低限の状態にはなっています。だからといって、FIREするつもりはないのですが。

トレードに関しては、「もう充分やった」「ある程度満足はしている」という気持ちにはなりません。むしろ、もっとFXを攻略したいという気持ちが強くなっている気がします。これだけやってきたのに、ゴールがまったく見えないという焦りもあるかもしれません。

専業になった頃は、経済的に安心できる状態になれば、トレードに対する考え方も変わると思っていました。しかし、実際にその状態に近づいても、トレードへの欲求はなくなりません。むしろ、生活費を稼ぐこととは別の目的が生まれているように感じます。

2.投資家がFIREできる条件

トレードだけで生活費を稼ぐなら、一生トレードしなければなりません。ただ、経済的自由を手に入れれば、トレードする必要がなくなり、あとはFIREのための引き際を見極めるだけです。

では、投資家にとって経済的に安心できる状態とはどんなことでしょうか?それには2つあると思います。

①多額の現金がある
②生活費以上の不労所得がある

①トレードで大きく勝ち、遊んで暮らせるほどの現金をため込むことです。たとえば、10億円以上でしょうか。必要な金額はその人の生活水準によりますが、一生お金に困らないだけの現金があれば、無理にトレードする必要はありません。

②トレードで得た利益を、配当や不動産収入を生む資産にかえる。たとえトレードしなくても、自動的に、毎月の生活費以上の収入が入ってくる仕組みを作ることですね。

つまり、有り余る現金を持つか、現金を生む資産を持つか、この2つです。ただし、これは生活費を稼ぐためのトレードをしなくてもよいだけであり、トレードへの欲求が無くなるわけではありません。

3.FIREとトレードの満足度は別

専業になった頃は、トレードで生活費を稼ぐことが最大の目的でした。今は、その目的が変わっています。おそらく、トレードでお金を稼ぐことと、トレードを攻略することは別だからだと思います。

トレードでは、どれだけ経験を積んでも新しい課題が出てきます。勝てるようになったと思っても、相場環境が変われば簡単に通用しなくなります。16年も専業をやっていれば、相場のことは何でもわかるようになると思っていました。しかし、実際はまったく逆です。経験を積むほど、自分にできないことや改善すべきことが見えてきます。

これは都合の良い解釈ですが、だからこそ、「少しでも技術を高めたい」「トレードの質を高めたい」と思えるのです。もっと稼ぎたいという欲求だけでは、無理なロットや過剰なトレードにつながってしまい、長続きしない気がします。

4.満足しないから継続できる

専業トレーダーを16年続けてわかったのは、経済的自由を手に入れることがゴールではない、ということです。ひとつの課題を克服しても、次の課題が出てきますから、トレードにはおそらく一生満足することがないのでしょう。

満足するまで続けるのではなく、満足しないことを受け入れてトレードを続ける。これが専業トレーダーの本質ではないかと思っています。そう感じ取れただけでも、成長しているのかもしれません。

もっとも、これは私が満足できるほど稼げていないだけかもしれません。たいして勝てない専業トレーダーの思考なのではないかと、自分でも疑います。10億円以上を簡単に稼いでしまうトレーダーなら、違う境地にいるのかもしれません。

それでも、明日になればまたチャートを開いているのでしょう。満足できないことも含めて、私はトレードが好きなのだと思います。