トレードで辛いことにひとつに、『大きく負けること』があります。サクサク勝てていると、トレードが楽しくモチベーションが高まり、さらに利益を出せるイメージがわくので、夢が持てます。利益が出ていますから、何をやってもOKです。しかし、大きく負けた時は、自分に対するいら立ちやショックで、本当に辛いですね。
しかし、負けた時こそ成長するチャンスです。常に勝っているとお金は増えますが、慢心しやすくなります。どんなに負けても『成長があれば相当な経験値になる』でしょう。
では、FXにおける成長とは何でしょうか? 次の4つにフォーカスしてみます。
1.技術面の成長
2.精神面の成長
3.金銭的な成長
4.資金管理法の成長
負けた時に、ただ資金を減らすだけでなく、4つの成長項目のどれかを意識的に改善することで、成長につなげることができます。投げやりになったり、落ち込むだけでは成長しません。無理矢理にでも自己分析をして下さい。
1. 技術面の成長
トレードにおいて最も基礎な部分です。
ファンダメンタルなら情報を洗い直すなどするのでしょうが、ここではテクニカル分析のみで考えてみます。テクニカルの技術面は、チャート分析、ツールを使いこなしてルールを決める作業などです。ただチャートパターンを知っている、トレンドラインが引けるだけでは技術とは言えません。
チャートがどうなったときにエントリーとイグジットをするのか、これを具体的に決めることです。大きく負けたなら、ルールのどこが悪かったのかを振り返り、改善点を見つけなければなりません。
負けたトレードを記録し、なぜ負けたのかを分析することで、チャート分析を深め取引手法を改善することができます。そうすれば、負けが生かせます。
2. 精神面の成長
トレードは感情との戦いです。
慣れてくるとロットを上げていくはずですから、損益変動が大きくなります。そうすると喜怒哀楽も激しくなります。大きく負けた時は、それが感情によるものなのか、そうでないのかを見極めなければなりません。テクニカルで負けたのであれば、上述の技術面の成長になります。
しかし、感情的になって負けたのであれば、なぜそうなったのかを分析しなければなりません。欲張りすぎた、ロットを上げすぎたなどの原因があるはずです。何かしらの欲が出たはずですから、反省しなければまた同じように感情的になってしまうでしょう。
自分の性格をよく理解し、感情的にならないルールを作るべきです。そういった作業を怠らないようにしましょう。負けた時こそ気付けるものです。
3. 金銭的な成長
稼ぎ方が正しいか見直しましょう。
FXは、資産を増やすための手段の一つにすぎません。簡単に儲かるからといってFXばかりやっていると、どうしたもトレードが雑になり、フルレバレッジをかけるようになります。そうすると、また大負けします。
大負けしたらいったん立ち止まり、稼ぎ方が間違っていないか、本質的な部分を考えるといいです。別の投資に一部資金を振り替えたり、安定収益の投資をするなど、アセットアロケーションやポートフォリオ全体の見直しをすると良いでしょう。一時的に遠回りしても、長期的には大きく稼げる方法が良いでしょう。FX短期売買で一点突破、という方法もありですが、投機取引に全労力をかけることになるので注意が必要です。
4. 資金管理の成長
トレードの成功を左右する重要な要素です。
上述の3つを成し遂げるために、どんな資金管理が適切かを見直しましょう。大負けした時は、その資金管理方法が機能していないということです。それを認識し、適切な資金配分、管理のルールと実践方法など、具体的に決めておくのがおすすめです。
短期売買なら、注文方法やロット数を変えてみるのも一つの方法です。大負けしたということは、ロットが大きすぎるか損切りできなかったパターンがほとんどです。ですから、ロットを落とすか損切りを徹底するためにどうすればいいか、管理方法を考えましょう。資金管理が欠陥だらけだど、どんなにテクニカルの技術があろうが、ルールが良かろうが最終的に大損する確率は高いです。
大負けした時こそ、資金管理方法をトレードノートに書きだすなどしましょう。
5. まとめ
トレードは、勝ちもあれば負けることもあります。たとえ大負けしたとしても、成長が感じられないと、心が折れてFXから距離を置くようになります。ある程度勝ててきたのに、ある時に大損してパタリと勝てなくなるトレーダーは多いです。
私も、大負けしたときは『今回は〇〇の成長をするんだ』と自分に言い聞かせます。
負けてもそれを経験値にし、次は同じような負けをしないよう学ぶことができれば、『成長』と言えます。ただただ、資産を減らすだけで学びがない負けは、衰退をまねきます。そうならないよう、負けた時は何が学べるのか、意識的に考えるようにしましょう。勝ちトレードは、負けトレードにおけるデータの積み重ねです。