『FX専業トレーダーが生き残るための不動産戦略』を3回にわたって紹介してきました。FXで生き残るには、どうしてもトレード以外の安定収入が必要であり、不動産はそれに向いています。

シリーズ最後になる今回は、不動産の精神作用と金利についてまとめました。これまでの記事は次のとおりです。

 

今回は10から12について説明し、まとめます。

10.毎月資産が増える楽しみ

毎月350万円の元本返済があります(こちらの記事のエクセルで全物件の返済額載せています)。15億円の不動産に対し、ほとんど借入で購入しているため純資産はほぼゼロに近いです。ここから毎月返済した分だけ借入元本が減り、その分だけ純資産になっていきます。

つまり、毎月350万円ずつ不動産資産が積み上がっていくことと同じです。30年後に返済が終われば、毎年1%ずつ価値が下落すると仮定しても、実質資産は10億円になります。

毎月返済するたびに、その分だけ土地の一部が自分のものになっていくイメージです。今月はこの1㎡、翌月は端っこの1㎡・・・というように徐々に所有地を拡大する感じで、毎月土地が増えていく感覚があります。

このように、「借入が減る=資産が増える」ことになります。FXのように、来月、いや今月勝てるのかわからない不安はありません。毎月、確実に資産が350万円ずつ増えていきます。この感覚は不動産投資でしか味わえないでしょう。

11.安定感がFXにプラス作用

さらに、不動産投資の面白さは「返済して資産が増える」だけではありません。家賃収入という「毎月のキャッシュフロー」があることです。

ぶせな不動産ファンドでは、借入返済後に毎月約200万円のキャッシュフロー(管理費、固都税や保険を引いた後の手残り)があります。それは、ほぼ働かなくても入ってくる収入になります。もちろん、空室や修繕など現実的な課題はあります。

しかし、賃料収入は比較的安定しやすく、「今月の家賃は入るだろうか?」という不安はほぼありません。FXだと、「今月トレードで勝てるだろうか?」という不安は毎月つきまといます。

FXは常に判断が求められ、間違えれば一瞬で資金が減ります。一方、不動産は毎月コツコツ返済が進み、家賃収入が積み上がり、どんどん安定していきます。時間が経過するほど資産基盤が強くなっていくイメージです。これが、自分が考える「時間を買う戦略」です。

そして、この安定感がFXにも大きな影響を与えます。

生活費をFXだけで稼ごうとすると、「今月勝たないといけない」という焦りが生まれます。この焦りは、無駄なエントリーやロットの張りすぎにつながりやすいです。しかし、不動産収入が毎月入ってくると、「最悪、今月はノートレードでも生きていける」という余裕が生まれます。

この余裕こそが、FXでは非常に重要です。つまり、不動産は単なる資産形成ではありません。精神的な土台でもあります。不動産による安定収入があるからこそ、FXでも冷静さを保てるのです。

12.デメリットは金利上昇

現在は13億円の借入があり、金利があと1%上がると、単純に計算して年間1300万円の返済が上乗せされます。こうなると、状況は逼迫します。また、金利情勢はこれからも上がっていきそうです。このシリーズの記事で、不動産投資の良いことばかり書いていましたが、実は危ない橋を渡っています。

重要になるのが、日銀のターミナルレートです。かりに1.5%だとすると、赤字が悪化する物件が出てきます。さらに金利上昇が進めば、売却しなければならないかもしれません。1棟単体で購入価格より高く売るのは難しそうなので、借入比率が少なく売却益が出そうな物件とバルクで売るなど、対応を迫られるかもしれません。そのようなリスクを抱えていることは確かです。

ただ、たとえ金利が上昇しても、元本返済が進めば金利返済分もその分減っていきます。あと5年持ちこたえれば、ターミナルレートが1.5%を超えても耐えられると思います。10年後の2035年を過ぎれば、返済については心配なくなるでしょう。

しかし、思ったより利上げペースは早いです。2027年末のターミナルレートは、なんと2%まで上昇する見方も出ています。賃料収入のほとんどは返済に回されるので、トレードで勝てないと生活は相当まずくなるでしょう。やはり、FXで勝つことが前提になってきます。これはリスクで、現実になりつつあります。危ない橋を渡っていることは間違いありません。

まとめ

『FXを続けるために、不動産という安定基盤が必要だった』

結局のところ、私が不動産投資を拡大してきた理由はこれです。もしFXをやっていなければ、ここまで不動産投資に力を入れていなかったと思います。今でもFXはとても楽しく、これから先も続けたいと思っています。

しかし、短期売買だけで何十年も生き残るのは簡単ではありません。相場は常に変化しますし、精神的負荷も大きいからです。だからこそ、トレード以外の安定収入が必要だったのです。

年を取った時、FXは思い立ったその日からトレードできます。しかし、不労所得は若い時から積み重ねていかなければ、老後になって急に作れるものではありません。

FXは瞬発力のある投資、不動産は持久戦のようなものです。

トレードで得た利益を不動産に変え、不動産の安定収入によってFXをより長く続ける。この投資スタイルを目指してきました。これからも、トレードは「FX+株+日経先物」の三本柱を軸にしつつ、安定収入の不動産を組み合わせながら、長く相場に残りトレードしていきたいと思います。