不動産投資を選んだ理由について、実務的な側面から説明していきます。前回の記事で説明した一つ目から三つ目については、以下の通りです。

 

今回は、4から6の実務的な理由について説明します。

4.借入というレバレッジが効く

FXは、証拠金取引なのでレバレッジをかけることができます(個人は最大25倍まで)。FXの魅力は、なんといってもこの「レバレッジ取引」にあります。実際の資金が25倍あるものとして取引できますからね。

FXを始めるほ多くのトレーダーは、元手に余裕がないと思います。たとえば、ドル円1万通貨のポジションを持つには、おおよそ150万円の資金が必要になります。レバレッジが25倍だと、この25分の一で済むので約6万円あればいいのです。

FXの魅力は、このレバレッジによって短期間で大きな利益を狙えることです。

不動産も同じように、レバレッジをかけることができます。それは「銀行からの借入」です。元手が1億円なら、普通は1億円の不動産しか買えません。ところが、借入をすることで元手より高い不動産を購入することができるのです。たとえば、1000万円を頭金にして9000万円を借入すれば、1億円の不動産を買うことができます。元手は1000万円しかなくても、1億円の不動産を手に入れることができるのです。借入を返済してしまえば1億円の不動産が残ります。

この不動産を売却し、1億円の現金が手元に残ります(費用等は考慮せず)。最初は1000万円しかなかったのに、借入をすることで現金を10倍の1億円にできる可能性があります。かりに1億円を頭金にして9億円の借入をし、10億円の不動産を買えば、将来は10億円の資産が残るということです。極端ですが、これが不動産レバレッジの仕組みです。

FXでレバレッジをかけて短期で大きく稼ぐ。その利益を頭金にして不動産を買う。証拠金取引のレバレッジと、借入のレバレッジを活用しますから、『レバレッジ×レバレッジ』で大きな資産形成になるということです。

5.不動産投資のノウハウがある

わたしの前職はJ-REITの運用会社です。宅建士をはじめ、不動産や金融の資格をいくつか持っていますし、不動産の購入から運用、売却まで経験があります。大規模ビルだろうが、個人でやるボロアパートだろうが、不動産の入口から出口までやることは同じです。経験とノウハウがあり、実務を離れていたとはいえ、不動産に対する抵抗はありません。

専業トレーダーになってからは、とにかくFXに全集中していたので不動産のことなど全く頭にありませんでした。不動産は儲かるまでに時間がかかりますから、投資の対象として優先順位はかなり低めでした。まずはFXでレバレッジをかけ、短期で大きく稼ぐという考えでした。

ところが2015年ころ、FX以外の投資を考えた時、不動産のノウハウや経験値があることは、大きなアドバンテージになるのではないかと考えました。銀行や不動産会社の交渉はできるし、購入から売却までの流れがわかる。これはやるしかないと思いました。自宅を建てるときに、自宅兼賃貸にしようと思ったことから不動産投資がスタートしました。

思った通りで、物件探しから借入の交渉など、全く抵抗なく始められました。専門的な話もできることや、資格や前職の肩書が安心感につながったかなと思います。不動産の知識も経験もない無職の専業トレーダーなら、門前払いだったかもしれません。不動産投資のノウハウがあったことは、大きなアドバンテージです。

6.手間がかからない

FXの短期売買は、チャートに張り付く必要があります。スイングトレードや長期投資なら日々の値動きを見ないかもしれませんが、FXをやる人は短期売買が大多数だと思います。そうすると、基本的には毎日デスクの前でチャートを見ながらトレードすることになります。これは通常の仕事と同じで、手間というと語弊がありますが、不労所得にはなり得ないのです

ある日からチャートを見るのを止めると、トレードできませんから利益は出ません。ですから、毎日欠かさずチャート分析をしてトレードするという作業が必要になります。これは実務的には労働収入に近く、健康を害したり、老化により気力、体力が落ちてきたときに、パフォーマンスが低下する懸念があります。高齢になってチャートに張り付くというのは、現実的ではありません。

一方、不動産は借り手がいれば自動的に賃料収入が入ってきます。手間のかかるほとんどの作業を管理会社に任せることが可能で、これは誰がやっても同じです。年齢も関係ありません。自分が高齢になっても、管理会社と連絡を密にしておけば、失敗する可能性が低く、収入が途絶えることがありません。自分が40歳でも80歳でも、やることは変わりません。

このような手間がかからない収入源を確保しておこうと考えました。FXのために気力・体力を温存でき、さらに安定した収入が入るのは魅力的でした。

※次回は、不動産投資の本質的な価値とリスクを見ていきます。