為替市場では、上がるか下がるかの確率は二分の一です。ですから、適当にエントリーしても2回に1回は勝てることになります。不確実性が高い世界なので、まぐれや偶然が多数存在します。
やっかいなことは、自分が行なったトレードが、偶然なのか必然だったものか一切わからない点です。チャート分析して、ここは上がるだろうとロングしても、実際にはファンダメンタルのヘッドラインニュースが出て上昇したのかもしれません。その場合、テクニカルとは無関係ですから偶然の勝ちと言えます。

このような偶然は、トレード回数が多くなるほど増えます。思ったより利幅が取れたり、ナンピンしたらドンピシャで反転して天底をとらえる。偶然や想定外の勝ちは、あくまでも「オマケ」であり、いつもできるわけではありません。「勝てば官軍」というように、オマケだとしても勝てば良いのでしょうが。
しかし、オマケのトレードは、トレードスキルではなくあくまでも偶然です。トレード回数が多いほど、オマケを引く回数も増えるため、実力と勘違いしてしまいます。
「負けトレードも多いけど、もの凄い上手なトレードも多い。しかし資金は増えない。」こういった方に多いような気がします。その上手なトレードは、実はオマケではないでしょうか。なぜなら、どれだけトレードしても資金が増えないからです。毎日、相当なトレード回数をこなしているのに、資金が増えていない方は要注意かと思います。
では、どうするか?
すぐにできることは、トレード回数を減らすことです。今日勝ちたいからという焦燥感があると、手数だけ増えて期待値の低い無駄なトレードが増えますから、まずはそれをなくすことでしょうか。そもそも、期待値の高い局面はそうあるものではありません。
トレード回数を減らすと、「オマケ」が減ります。トレード回数を減らした分だけオマケが減るのではありません。回数を減らすと、トレードの質を求めるようになり、オマケが減るのです。そうすると、勝ちも負けも期待値通りの結果になりやすいです。トレードは、期待値の高い場面を、細かく取るのか(スキャルピング、短期デイトレード)、長く保有して利幅を取るのか(デイトレード、スイングトレード)です。
オマケは、いつも求めるものではなく、たまに偶然起こるものとして考えておきましょう。今日も天底をとらえたい、ショートしたら急落して1分で50pipsとる。このようなオマケは偶然にすぎません。期待していると、心が浮ついたり祈るなど、思考が停止してすべて狂ってしまいます。オマケを期待せず、必然のトレードをコツコツとこなしたいと思います。