テクニカル分析は、もとをたどるとローソク足分析にいきつきます。
ローソク足分析は、2本や3本のローソク足だけで相場の勢いを把握する方法です。2本だと「たすき線」「はらみ線」、3本だと「明けの明星」「上げ三法」とかでしょうか。聞いたこと無い方も多いと思います。実際、現代のFX市場では聞かなくなりました。株式市場で、日足チャートの分析方法です(大昔の米相場?)。
また、「窓開け」することが前提であり、FX市場は窓開けはほぼありません。あったとしても、月曜日の始値だけです。週一回しかありませんから、使われることもないでしょう。下記は2本足分析で、いずれも前の終値とのギャップがあることが前提です(黒丸のところ)。
私がFXを始めたころは、まだ黎明期だったこともあり、参考になる手法や書籍もなく、古くからのテクニカル分析や株式市場の手法を参考にしていました。上記の分析方法も、一通り試した記憶もあります。1本のローソク足をパソコンの画面に拡大表示し、足が変わったタイミングでエントリーするなど、今では考えられない手法も試していました。
得たものはありませんでしたが、一つだけ今でも忘れないことがあります。それは、「ローソク足1本の値動き」をよく観察する作業です。毎日1分足から週足まで、くまなく観察します。1分足だと、森の中の一番小さな木と同じで、最も時間軸が短い構成要素です。しかし、一番数が多いのも1分足です。日足だと、1日で1本しかありませんが、1分足だと1440本もあります。その1本1本をよく見ること。ところどころにヒントが隠れているので、それを見つけ出すイメージです。
ローソク足1本が2本になり、2本が3本になり、数百本の集合体になってヘッド&ショルダーズなどのチャートパターンができます。その1本が大切なのです。
ローソク足分析は、トレードの原点といったところでしょうか。
ローソク足を見ているだけでは利益に直結しません。しかし、丁寧な観察が積み重なると、いいトレードができるのも事実です。なぜかタイミングがつかめたりします。観察自体は、決して言語化できるものではありません。トレードで成果を出すには何が必要か、という問いに対して、結局のところ言葉で説明できるものではないと思います。ローソク足1本が、全てのチャートの構成要素ということを忘れずに、思考あるチャート分析をしていきましょう。