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トレンド直前の山と谷

テクニカル分析のひとつに、「値幅観測」があります。
考え方は、チャート分析の中でも極めてシンプルです。価格が動けば、「直近の値幅の2倍が出る」というだけです。値幅だけでトレードはできませんが、1日の高値と安値の値幅がおおよそ決まっているように、要所要所で「だいたいの値幅」は機能します。

昨日のドル円を見てください。

ロンドン後半に115.50円を下抜けたとき、「どこまで下げるか」と考えませんでしょうか(ブレイクしたときはいつもそう考えるのですが)。こういう時に、だいたいの目安が分かっていると、トレードしやすいです。スキャルピングならショート中心に回転できますし、デイトレードなら数時間ホールドできます。利食いや到達地点の目安があると、根拠のあるトレードが可能になります。値幅でなくても、115.30円や115.25円などの反発しやすい数字、もしくはサポートラインがあれば、それでもいいでしょう。

上記の値幅は、Aが基準となり、115.50円を下抜けてから、Aと同じだけの値幅(Bのこと)が出ました。直近のもみ幅の2倍は、よく出るパターンです。しかし、いつも機能するわけではなく、出やすい場面があるように思います。それが、下記です。

きれいな山が出ています。
もみ合いとはいえ、上→下→上という流れができていて、レンジなりに波がある状態です。意味のないレンジではなく、前日のニューヨークは下、当日のアジアは上、ロンドン前半は下、という市場ごとの流れがあります。ですから、次は下にブレイクし、同じような値幅が出るのでしょう。下にブレイクしたからといって、いきなり暴落するわけではありません。それまでのボラティリティやリクイディティを踏襲し、次のステージへ移行します。

下記は、先週の上昇部分です。

きれいな谷ができ、2倍の値幅が観測できました。
きれいな山や谷は、テクニカル的に言うと、「Y波動やV波動」のことです。波動が明確なときに、値幅観測も機能しやすいのでしょう。Y波動やV波動だけでなく、エリオット波動やグランビルの法則も、相場の波です。波があるときは、いろいろなテクニカル分析が機能するということです。たまたま値幅を当てはめているだけであり、他の分析方法も使えます。

大切なことは、「今どんな波か」「今どんな相場環境なのか」、これを認識することです。何かしらの相場の波や法則を見つけることです。これさえできれば、どんなテクニカル分析も使いこなせるでしょう。好きなツールやインジケーターを使い、あとはエントリーとイグジットポイントを見つけるだけです。トレーダー毎に手法が違うのは、このためです。