FXは、投資と認識されていますが、仕組みとしては投機の色合いが強いと考えています。なぜなら、短時間で「勝った感覚」を得られ、それに快感を覚えるからです。ひとたび「勝ち」の味を覚えてしまうと、自分の意志で止めるのは難しくなります。
それだけ依存性が高い投資です。
これは、ギャンブル依存症と似たメカニズムかもしれません。

1.FXとの共通点
ギャンブル依存症は、次のような特徴があるそうです。
①ギャンブルにのめり込む
②興奮を求めて掛金が増えていく
③ギャンブルを辞めようとしてもできない
④ギャンブルをしないと落ち着かない
⑤負けたお金をギャンブルで取り返そうとする
⑥ギャンブルのことで嘘をついたり借金したりする
ギャンブル依存症ってどんな病気?
※依存症対策全国センターより
これをFXに当てはめると、驚くほど似ているのではないでしょうか。数分や数十分足らずで高揚感を味わえ、まるでゲーム感覚です。しかも、毎日チャレンジできます。乱高下した時には、アドレナリンが放出され、ロットを上げるとドキドキ感が止まりません。負けると自分にイラ立ち、勝つと嬉しさの絶頂です。心当たりがある人も多いのではないでしょうか。
依存すると、大損して資金が枯渇し、物理的に退場するまで続けてしまいます。私も人のことは言えず、いつまでも為替市場にしがみついています。もちろん資金管理を行ない、トレードルールに従い、根拠あるトレードをしているつもりではあります。ただ、投機性とレバレッジの仕組みに魅了されており、今のところFXを辞める選択肢はありません。
普通の人なら、少額でトレードするとかリスクを取らないトレードをします。投機性が高いので、FX以外の投資にするか、そもそもFXをやらない選択をするでしょう。
2.SNSによる依存の助長
さらに、SNSが依存症を助長する結果になっているのではないでしょうか。良くも悪くも、SNSの影響は、次のようなものがあると考えています。
①自分に有益な情報がすぐに得られる
②他人の損益に焦りや嫉妬を感じる(=プライドが傷つく)
③自分より負けている人を見て安心
さまざまな捉え方がありますが、「もっとトレードして勝ちたい」という気持ちを高めることになります。焦燥感が生まれ、冷静なトレードなどできなくなるでしょう。負けが続いても最終的には勝てると確信し、強制的に退場するまで、勝てない戦いを延々と続けてしまうのです。
3.勝つためには資金管理
結局のところ、FXで長く生き残るためには、資金管理に尽きると私は考えています。もちろん資金管理だけではありませんが、その割合は大きいです。冷静にトレードルールを実行できる資金管理を行なうと、3つのMが効力を発揮するからです。
「FXで勝つための3つのM」
Method(手法)
Money management(資金管理)
Mind(メンタル)
どんなに優れた手法を持っていても、どれほどのメンタルを鍛えても、資金が尽きてしまえば退場です。逆に、資金を守るルールを徹底し、冷静にトレードを継続できれば、長期的に生き残る期待ができそうです。
4.継続して楽しむために
定期的に資産を大幅に減らす、あるいは何十年トレードしても資産が増えないなら、FXから離れる勇気も必要です。しかし、自分の力では辞められません。それが依存症です。
そうなったときは、ロットを落とすとかリスキーなトレードにしないなど、資金管理を見直してみると良いかもしれません。FXに対する取り組み方を、根本的に変えることはできないでしょう。だからこそ、資金管理を徹底するのです。危うくなったときに、これだけは見直すという決めごとを一つだけにしておくと良いです。それが資金管理です。
そうすれば、メンタルの浮き沈みがなくなり、冷静にトレードルールを実行できるでしょう。
日々の自分の思考の癖、トレードの癖を分析し、自分も依存症になるかもしれないと、認識しておくことが大切です。もし依存症と思った時に、全てを改善できることは難しいです。資金管理だけは見直す、というたった一つの逃げ口を決めておくのがおすすめです。そうすれば、FXに依存しても継続して楽しめるはずです。
FXは自己責任の世界です。
FXなんてやらなければよかった、と後悔しないよう対策は取っておきましょう。