FXは、投機性が高い投資です。
敷居が低い分、知識がないまま軽い気持ちでスタートする方も多いでしょう。簡単にはじめられて投機性が高いので、依存症になりやすいかもしれません。負けると取り返したくなって売買量が増え、取り返せないどころか、大損して傷口をさらに広げるのはよくあるパターンです。逆に、勝ち続けても調子にのるようになります。過去と同じように勝ちたくなり、売買量が増え、けっきょく大負けして終わってしまいます。
このように、FXは勝っても負けても依存症になりやすいのです。何年もこれを繰り返してしまうのでしょう。
FXのように投機性の高いマーケットでは、投資心理が顕著に出やすく、バイアスがかかります。資産変動が大きく、喜怒哀楽が激しくなり冷静な判断ができずに視野が狭くなり偏った見方をしてしまうのです。
そうならないために必要なことの一つは、『ルールを作ること』です。エントリーからイグジットまでの売買ルール、資金管理、時間帯のルール。あるいは、エントリーまでの作法、チャート分析のルール、もしくはFXから撤退するルールなど。たった1回の利益確定とはいえ、さまざまなルールをクリアしておく必要があるのです。1回が100回になり、1000回のトレードになりますから。
ルールなくして生き残ることはできません。感情や相場観といった『目に見えないセンス』は頼りになりません。センスは相当なバイアスがかかる可能性が高いです。それが人間だからです。マーケットの真ん中から外れない、『言語化できるルール』が必要なのです。
また、季節ものの手法やシステムは、それが機能しなくなったときに稼げなくなります。値動きの本質をとらえ、相場に合わせて応用できる方法でなければなりません。こういった地に足のついたトレードは何か？ と聞かれたときの私の回答は、『王道のテクニカル分析で日々の相場に合わせて使うこと』です。
投機は、ひとたび歯車が狂ったときに一気に破滅の道へと進みます。さらにバイアスがかかり、冷静なトレードなどできません。それを食い止めるのは自分しかいません。そのために、ルールが必要なのです。
ルールがないと、FXから抜け出すのも難しくなり、ドツボにはまっていくだけです。FXはかなり危険な沼と見ています。わたしも今は沼の上にいますから、いつ足をすくわれるかわかりません。トレードで破滅したときの末路は、自分が想像していない姿が待っているのです。そうならないために、やはりFXはルールが必要といえるでしょう。
