日々トレードするには、大局をつかむことが大切です。大局とは、大きな流れのこと(全体像)です。上昇トレンドなのか、それとも下降トレンドか、レンジなのかです。3つのうちのどれかですから、把握すること自体は簡単です。ただし、把握する癖をつけておかないと、細かい動きにほんろうされます。
大局の把握の仕方は、いろいろあります。
現在のユーロドルをエリオット波動で見てみましょう。
エリオット波動は、「理論」なので、目に見えるものではありません。理論ですから「考え方」です。人によって解釈方法が大きく異なります。
1時間足だと、上記のように3段下げで、ひとまず下降トレンドは達成感があるかもしれません。逆に、下記のようにまだ3段目の途中と解釈することもできます。完成形を決めようとすると、無数の解釈があります。そのため、エリオット波動だけでトレードするのは難しいでしょう。
個人的には、ユーロドルよりもドル円の方が、難解です。
1時間足を見てください。
111円突破しましたが、Aで上昇トレンド開始としても、エリオット波動がはかれませんね。上げ方が急なので、どこを押し目と見るかが難しいです。今が第一波かもしれませんし、第三波と言われればそうとも言えます。ドル円は、こういう「押し目のないじり上げ」をします。上昇が否定されるまで、ついていく方法しか思い浮かびません。エリオット波動だけでは、エントリーポイントまで絞るのはできません。
そこで、ラインを引くと、わかりやすくなります。
次のチャートは、さきほどのユーロドル1時間足です。
大局をつかむには、「横と斜めのライン」を引きます。今はこのチャネルラインで進んでいるのが一目瞭然ではないでしょうか。
エリオット波動のような「理論」は、ダウ理論やグランビルの法則と同じく、大まかな考え方として使うべきです。たとえば、トレンドが出ると、高値と安値を切り上げる(切り下げる)。移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスがある。押し目や戻りがある。などです。とても基本的なことですが、チャート分析する「大前提」になります。その上で、上記のようにラインを引けば、節目や高値、安値は把握できますから、トレードポイントが絞れます。
あと、大局を把握するのは、トレンドのスピードや時間もチェックしておくといいです。
ユーロドルは、上昇幅と同じだけ下げています。ネックラインを目指しているのは明らかですね。ただし、下げ方の方が緩やかなので、強烈な下降トレンドではない、と言えます。ゆったりした下落です。そうすると、今日もゆっくりと相場が動くイメージができます。
また、下記のように、Aと同じ環境に見えます。
値幅とタイムサイクルが同じですから、今週中に方向性がきまるかもしれません。ネックライン付近で、「反転」「ブレイク」のどちからです。反転するならチャートパターンができますし、ブレイクするなら、ブレイクした後のチャートパターンが重要です。どちらにしても、価格が反応するポイントを見つけることが、的確なトレードをする前提です。