つなぎ売買は、もともと株式市場の手法です。
片張りでロングポジションを持っているとき、一時的に下がりそうなので空売りでショートしてしのぎます。この時は両建てになります。そして、下がったところでショートを利益確定すれば、またロングポジションに戻ります。この後上がっていけば、ロングでもショートでも、利益が出ます。
FXでも同じことができます。
スキャルピング、デイトレード、スイングトレードどの時間軸でも可能です。片張りや両建てのホールド時間が異なるだけで、考え方は同じです。
1分足で見てみましょう。
次のチャートは、短期上昇トレンドが出ています。①~④を順番に説明します。
①でロングをしたとします。
2分後には下げており、含み損になりました。しかし、目線は「上」だとします。まだ上げる予想です。しかし、含み損になり、「一時的に」押し目を付けるために下がると予想します。
②このとき、ロングを損切りするのではなく、ショートポジションを入れて「両建て」にします(これが、しのぐ状態です)。
③押し目を付け、上げ始めるタイミングでショートを利益確定します。これで、片張りのでロングポジションだけになりました。
④目線は上でしたので、予想とおり押し目をつけてさらに上げてきました。そこで、ロングポジションも利益確定します。
これで、ロングもショートも、利益確定できるというわけです。最初はロングポジションの含み損からスタートしたものの、両建てをしたことで含み損を拡大させることなく、しのぐ事ができました。むしろ、ショートもロングも利益確定できます。
②の場面で、ロングを損切りして片張りのショートだけにすべきではないか? と考えるトレーダーも多いでしょう。正解はないので、どちらでもいいのでしょう。両建てでも、片張りでもOKです。ただ、気持ち的に上目線ですから、ロングを損切りして「ドテン」のショートは難しいと思います。
ドテンって難易度が高いです。ドテンで失敗すると、往復ビンタになります。また、短期間でトレード回数が多くなるなど、ドテンの失敗は悪影響があります。そうならないよう、両建てすることで「しのぐ」という感覚が強くなり、ホールド時間が長くなります。結果として、ショートの利幅が取れ、ショートの利益があるのでロングも利幅を取りに行けるようになります。
手法的には、両建ては経済的合理性に欠くため推奨されていません。たしかに、スプレッドが倍かかります。あくまでも、心理的なものでしょう。しかし、ドテンも両建ても、かかるスプレッドは同じです。ドテンするのは抵抗があるけど、両建てでしばらく様子をみると、利幅が取れたり連敗を防げたりする。両建てによりトレードに好影響があり、そのトレンドでトータルで利益が出ればいいのでしょう。両建てよりもドテンが得意なトレーダーがいれば、その逆もいます。私は、ドテンより両建てが好みです。機会があれば、スキャルピングの実例やデイトレードも紹介していきます。