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様子見だからホールドする

相場では、エントリーよりもイグジットの方が難しく感じます。
トレーダーによりますので、個人的な印象です。

イグジットに関してよく言われることがあります。それは、ポジションを決済するときに「今エントリーしたいポイントでなければ決済すべき」です。たとえばショートポジションを持っていて、「今ポジション持っていなければショートしたいか」ショートしたい場面ならそのままホールド、ショートしたくない場面なら決済する、という考え方です。

確かに、新規でショートしたくないポイントなのにホールドするのはよくありません。理にかなったポジション管理でしょう。ただし、同じ場面でも、ポジションの有無で判断が分かれることもあります。既にリスクを取っているのか(ポジションホールド中)、これから新規でリスクを取るのか(新規エントリーする)、これは大きな違いですから、「今ポジションをもっていなければ〇〇だから〇〇すべし」という仮定は、前提が違うので成り立ちません。また、エントリーしたいポイントはそう簡単に出現しません。

デイトレードなどの数時間ホールドのトレードをするとき、ポジションホールド中は、様子見する場面がたくさんあります。たとえば、今のユーロドルを見てみましょう。5分足です。

AもBもレンジに見えます。
トレンドがでたのは、AとBとの境目にかけて数十分だけです。あとはレンジになるでしょう。違いは、レンジになっている局面です。AよりもBの方が「一段下」ですから、より下げた局面と言えます。かりにAでポジションを持っていれば、Bでは含み益です。下げると思ってAの中でエントリーしていますから、一段下の局面に進んでいるので正解です。ただし、Bではレンジですから、この先どうなるかわかりません。

今ノーポジションなら、私ならBの中でエントリーはしません。新規でリスクは取りに行く場面ではないからです。しかし、Aでポジションをホールドしているなら、既にリスクを取っていてそれが正しい方向へ進んでいるので、Bでホールドしても良いと思います(決済してもOK)。Bはレンジですから、新規でエントリーしたい局面ではありません。しかし、Aから下げると予想して、その通りになっていますから、ホールド中ならそのまま持っていてもいい場面と判断します。

同じ場面でも、ポジションの有無により判断は異なるということです。これからポジションを持つのか、それとも既にポジションを持っていてイメージ通りに進んでいるのか、という違いです。Bで様子見をするにしても、ポジションの有無で行動はかわってきます。50pips~100pipsの利幅を取るには、ポジションホールド中に様子見をする場面がたくさんあります。「様子見だから決済」していては、利幅が伸びません。「様子見だからホールドする」という考えも必要です。

決済はいつが正しい、というのは正解がありません。ただ、「利幅を伸ばす」ために考えることが重要であることは確かです。