移動平均線は、3種類以上使うことがおすすめです。
「短期」「中期」「長期」です。トレンドの概念と同じだからです(短期、中期、長期トレンド)。それぞれのパラメーターや期間設定は任意で良いと思います。「5,25,75,」とか、「50,120,240」など、短期→長期になっていれば何でもいいでしょう。私はデイトレードだと「25EMA、75EMA、200EMA」です(グランビルの法則と同じ)。
しかし、移動平均線を表示しても、3本がそれぞれどんな働きをするのか知らなければ意味がありません。ここでは、短期の動きとラインの引き方を紹介します。
短期は値動きに敏感に反応するので、ローソク足とあまり乖離しません。そして、ラインを引く時は、25EMAが中に入るようにします。下記は、ポンド円の1時間足で、チャートさえ見ていれば誰でも気付く三角もち合いです。25EMAは、ラインの中に入っています。
このチャートで、ローソク足を消して3本の移動平均線だけにしたのが、下記です。
25EMAの山と谷で、三角もち合いを引きました。
ローソク足の高値と安値ばかり見ていると、上下動が激しくてラインが引けないことがあります。また、ヒゲか実体のどちらを起点にしていいか迷うことも多々あります。25EMAに沿って引くと、ローソク足に引くときより「緩やかな」ラインになるので、状況が把握しやすいです。ローソク足の高値と安値に引くよりも、三角もち合いの内側(中心)に引くことになるからです。チャートパターンの中心にいくほど、形作っている心臓部分に近いということです。
ローソク足に引くと急角度になりがちですが、上記のように移動平均線に引くと緩やかになります。左側にも三角もち合いがあります。
ラインが上手く引けないときは、移動平均線をチェックしてみてください。まず、短期移動平均線がきれいに進んでいなければ、ローソク足も引けません。
上記のラインをそのまま残し、ローソク足を表示したのが、下記チャートです。
Aは強いトレンドですが、相場でトレンドが発生するのは、ごく一部です。
相場のほとんどは、短期移動平均線から乖離してもすぐ戻る、という点です。丸印をつけたポイントを見てください。三角もち合いをブレイクしても、反転して戻っています。ラインは後付けで引けるものですが、短期移動平均線から乖離したときに、さらに乖離するか、それとも戻るのか、という場合はほとんど戻っています。
三角もち合いができたら、それをブレイクしてAのような強いトレンドが発生する。そしてまたもち合いになる。この繰り返しです。今がどちらになるのか、という認識ができれば、移動平均線も活用しやすくなります。価格やローソク足に振り回されるのではなく、移動平均線は名前のとおりプライスの平均ですから、なめらかな動きになります。上下にかくかくと動くローソク足とは違いますので、移動平均線も活用してみてください。
短期移動平均線から乖離し始めたとき、過去はどんな状況で、これからイメージできるパターンを考えるようにします。まず、過去の状況の把握ですね。25EMAは緩やかなのか、平らなのか、傾いているのかなど、少し意識してチェックするだけでも違います。