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相場を追うな|取引時間を決める4つのメリット

トレードで勝ち続けるために大切なことの一つは、「取引時間を決める」ことです。仕事と同様、トレードを仕事の一部にし、生活のリズムを作らなければなりません。マーケットが24時間オープンしているからと言って、気が向いたときや隙間時間など、毎日異なる時間帯にトレードしていると、トレードもちぐはぐになってしまいます。

SNSを見ていると、多くのトレーダーが異なる時間に相場状況や損益報告をしています。どの時間帯でも目にするので、自分もすぐにトレードして利益を上げたいと思ってしまいます。トレードは自分のために行ないますから、他人のトレードに惑わされないようしましょう。

取引時間を決めるメリットは次の4つです。

① 時間帯の特徴
② 心理面の影響
③ ポジション管理
④ 習慣化のメリット

① 時間帯の特徴

市場には時間ごとの特徴があります。
為替だけでなく、株式、先物など、どの市場も一日の中で「動きやすい時間」と「停滞しやすい時間」が存在します。24時間オープンしている為替市場は、それが顕著です。

FXであれば、アジア市場の9時から11時ころ、ロンドン市場が開く15時から19時あたりは、ボラティリティが高いです。また、ニューヨーク市場の午前にあたる21時から25時の間は、米国の重要指標が、とても動きやすいです。逆に、これら以外の時間(アジア、ロンドン、ニューヨーク市場の午後)は、閑散としていることが多く、値動きが乏しいです。

また、それぞれ3市場では、市場参加者が異なるため、動く通貨ペアが異なります。値動きの特性も3市場では異なるため、取引時間をあらかじめ決めておけば、自分が得意とする動きやすい相場に集中でき、効率が上がります。

② 心理面の影響

トレードは集中力を要します。
長時間ダラダラとチャートを見続けると、疲労が蓄積し判断力が鈍ります。「ポジションを取らないきゃ」、という焦りも出てきます。そうなると、「根拠のないエントリー」や「損失を取り返そうとする衝動的」なトレードが増え、負けやすくなります。

取引時間を決めておけば、相場へのエネルギーを限られた時間に集中させ、冷静な判断を維持しやすくなります。トレード以外の生活にもメリハリが出てきて、取引中はがぜんやる気が出てくるでしょう。

③ ポジション管理

トレード時間を制限しないと、値動きの少ない時間帯にムリなポジションを持ち、経済指標や予想外のニュースによる急変動に巻き込まれやすくなります。決めた時間帯だけで取引すれば、想定外の変動による損失を避けられます。たとえ利益になったとしても、それは「まぐれ」ですから長続きしません。

また、時間を区切ることで「今からスタート」「今日はもう終わり」という区切りができ、その時間帯でポジションを整理するようになります。ポジション管理も楽になり、トレード以外の時間は、気楽でいることができます。

ポジションを持っていると、どうしても損益が気になります。外出先や就寝中も、頻繁にスマホをチェックするなど、落ち着いた日常生活を送ることができなくなります。そうすると、1日中相場から離れることができず、精神的に疲弊してしまうでしょう。取引時間を決めれば、無駄なトレードが減ります。

④ 習慣化のメリット

習慣化によるメリットも大きいです。
毎日同じ時間にトレードを行えば、その時間帯の相場パターンや特徴が把握でき、経験値が上がっていきます。だらだらと1日中トレードするよりも、その時間帯の判断力が向上します。いわゆる、「相場観」が身につくのです。

逆に、バラバラな時間に取引してしまうと、相場の特性が把握しづらく、学習効果が薄くなります。

また、トレード記録をつけ、自分の履歴を分析するにしても、時間帯がバラバラよりも統一したほうが勝因・敗因などの癖を見つけやすいです。かりに、1年間ばらばらの時間帯にトレードしていると、この1年間いつどんなトレードをしてきたのか結局わからない、ということになりかねません。決めた時間帯にトレードする習慣ができれば、実践も分析も手間がかかりません。

このように、「取引時間を決める」というのは、

・有利な時間帯に集中して精度を上げる
・心理的・肉体的な集中力を維持する
・ポジション管理し無駄な取引を減らす
・習慣化で経験を積みやすくする

という4つの面で大きなメリットがあります。

わたしが専業トレーダーになってからは、ロンドン時間からニューヨークにかけての15時から25時が主戦場です。1日中トレードすることはありません。朝起きてからチャート分析をしたり、ブログを書くものの、それ以外は15時まで自由時間としています。兼業トレーダーのときは、21時から25時に集中してトレードしていました。

トレードは「どれだけ多く取引するか」ではなく、「どれだけ有利な場面だけを選び抜けるか」がポイントです。何十年と長く続けるなら、健全な生活習慣が必要であり、仕事となるトレード時間を決めることは、とても大切なことです。

利益を出さないといけない、という焦りから1日中相場を追いかけ、精神的に疲弊しないようにしましょう。