金融市場では、レバレッジをかけた取引が当たり前になりました。ひとたび暴落が始まると、レバレッジをかけたポジションは証拠金不足になりやすく、損切りになります。それが暴落に拍車をかけますが、逆に、ポジションが一掃されると反対売買がでなくなるので急反転します。
日経は、2週間前の暴落から急反転し、二番底がないと言われています。為替市場も二番底がないのでしょうか。そうすると、ダブルボトムではなくシングルボトムになります。
ドル円の日足を見てみます。
2023年7月と12月の下落時では、しっかりとダブルボトムができました。現在も149.40円付近がネックラインになりダブルボトムを作っているように見えます。このまま下降トレンドになればネックラインにはなりませんが、上昇すればシングルボトムではなく、ダブルボトムになります。二番底をつけるなら、2023年7月と12月のような教科書通りのダブルボトムかもしれません。
では、なぜ「二番底がない」と言われるのでしょうか(二番底がこない「かもしれない」という時期尚早な議論だとは思いますが。かもしれない、で議論するのは相場では意味がありません)。
その一つに、高頻度取引(HFT)があると思います。
そもそも、ダブルボトムが形成されるのは、「戻り売り」があるからです。最初の安値からある程度戻すと、再び売りがでてきます。こういった戻り売りが出ない背景にはHFTの稼働状況も要因の一つ、ということです。
日経の記事にもあります。
7月のトランプショックについて書かれていますが、どの相場にも当てはまると思います。
ヘッジファンドのHFT稼働が減ると、プライスがスカスカになり、値が飛んだりボラティリティが極めて高くなるのでしょう。また、レバレッジをかけたポジションが一掃されマーケット全体のポジションが少なくなると、今度はトレンドを作るのも容易になります。ひとたびHFTの方向性が決まると、その方向でトレンドが形成されます。
実際のところ、何が相場に影響しているのかわかりませんが、常日頃からどうトレードするかを考えておくことが大切です。相場をけん引しているのはHFTが大きいでしょう。1分足を見ていても、短期トレンドが発生すると綺麗に高値と安値を切り上げ(切り下げ)ます。
戻りをつけて下落すると、N波動になります。こういった相場の本質は、今も昔も変わっていないと思います。個人的な感覚では、ひとたびトレンドが発生すると昔よりも戻りなくどんどん進む印象ですが(戻りがないといっても上記チャートのようにN波動は出ます)。
そうすると、順張りがますます良くなります。順張りを基本とし、オーバーシュートしたら逆張りでも取っていく。値動きの本質が変わらない限り、今後もこの方針でトレードしていきます。