上位足と下位足をセットで見る「マルチタイムフレーム」は、トレードの基本です。しかし、目の前でチャートが動いていると、値動きにほんろうされてつい忘れてしまいがちです。エントリーを考えるときは、上位足に対して順張りか逆張りかを認識しておくべきです。
ドル円を見てみます。
まず、5分足です。
Aは、昨日の19時です。
104.25円を下抜け、S波動が出そうですね。爆上げしたあともみ合っていましたが、104.25円を下抜けて、下げか加速しそうなポイントにも見えます。このとき、ショートポジションをとっていいでしょうか。
ショートする前に、5分足だけで判断するのではなく、マルチタイムフレームの考えに基づいて、上位足をチェックしてみます。
15分足です。
5分足のAは、15分足Cと同じ箇所です。
15分足では、そもそも下降トレンドではないですね(さらに上位足の日足や週足では下降トレンドですが)。15分足で下降トレンドなら、5分足も下降トレンド回帰する可能性があるので、ショートしてもいいでしょう。しかし、15分足の移動平均線の向きはバラバラでレンジ、200EMAがサポートになりますし、AB間のちょうど半値押しになります。半値押しだと、そこから反発して上げていく可能性もあります。
理由はどうあれ、5分足のAは、マルチタイムフレームの考えでは「絶好のショートポイントではない」ということです。上位足と下位足の方向性が一致していないからです。
エントリーをしようか迷うことは、1日に何度もあります。エントリーしたあとに、上位足を見てなかったということもあります。1日中トレードしていると、集中力が欠けているときも多いです。チェックが甘くなり、だらだらとトレードしているときもあります。その点、兼業トレーダーだと集中してトレードできるのではないでしょうか。
マルチタイムフレームは、トレードの基本なので改めて認識しましょう。スキャルピングもデイトレードも、上位足に対して順張りか逆張りか、必ず確認が必要です。スキャルピングは、翌日に持ち越すことはありません。デイトレードだと、上位足も下位足もトレンドフォローだと、利幅が期待できるので持ち越すこともあります。