チャート分析 PR

方向性がでるまで時間が必要

ドル円は、3日前の月曜日アジア時間に106.50円の高値トライしました。ニューヨーク時間に2度目のトライをしたので、上抜けと思った方も多いのではないでしょうか。

その後、106.00円を何度も上下し、現在までじりじり下げています。106.00円が強烈なネックラインであることは書いていましたが、往々にして、強烈なネックラインは一度ブレイクしたら終わりではなく、テクニカル的に何度も反応します。

30分足を見てください。

上にブレイクしたのに、下がってきて今度は上抜け。また下抜けたのに上行ったりと、何度も上下動しています。強烈なネックラインであればあるほど、ラインにぶつかったら、綺麗にブレイクや反転をして欲しいものですね。上記のように、何度もネックラインを行ったり来たりしていると、なんだかもどかしい感じです。

しかし、一筋縄ではいかないのが相場です。一度ブレイクしたら、その方向と決めてしまうと、戦略がことごとく否定されてしまいます。方向性が決まるまでは、「時間が必要」なことがあります。

5分足でも見てみましょう。

繰り返し反応していますね。

106.00円付近で、トレンドを期待してエントリーしまくっていると、連敗することになります。かといって、106.00円をはさんでレンジになる想定をするのは、難しいですね。ネックラインがあるのだから、さっさと方向性が決まって欲しいと願うのは、あくまでも自分の都合です。相場は、方向性が出るまでに時間が必要です。

特に、短い時間軸だけで見ていると、上記5分足のように何度もネックラインを往復するため、「結局どっちなの?」という焦りが出てきます。そういうときは、時間軸を長めにし、視野を広げるようにすると良いです。

日足を見てみます。

日足だと、106.00円のネックラインを境に、上ヒゲになっています。ローソク足の実体は、上抜けていません。ごく自然なローソク足の形です。

最初から、日足のような長い時間軸で見ていれば、日足が確定するまで方向性を決めることはできません。逆に、30分足や5分足ばかり見ていると、106.00円を上抜け(下抜け)したときに、「これは上だ」「これは下方向だ」と、その場で決めてしまいがちです。

どんなに強い節目であっても、方向性が出るまでに、数日や数週間かかることもあります。その間、何度も節目を上抜けたり下抜けたりします。その間、5分足などの短い時間軸だけを見ていると、視野が狭くなって迷いが生じるので、注意が必要です。

強い節目ほど、方向性が出るまで時間がかかる可能性があります。重要なことは、下位足から上位足まで、くまなくチェックすることです。相場が転換しそうな場面では、になりやすいです。迷ったら、必ず森全体を見るようにしましょう。

ただし、強烈な節目をブレイクしたら、その瞬間から強烈なトレンドが出ることもあります。自分が考えたパターンと、逆のパターンを常に考えておくことが重要でしょう。「絶対にこうなる」というのは、相場では通用しません。一つのパターンではなく、いくつものパターンを想定する。そのためには、「木を見て森を見ず」の状態では、絶対にダメだという事です。