チャート分析をしていると、誰が見ても「サポート帯やレジスタンス帯」になっている」ラインを発見することがあります。この時、ブレイクしたらトレンドが発生する、と考え始めるのではないでしょうか(逆張りを狙っているなら、反転して欲しいと考えるでしょうが)。そのラインが、二度や三度もブレイクをトライしていたら、なおさらブレイクを期待してしまいます。
ただし、ブレイクしかけても、くるっと反転して「ダマシ」に終わるケースがあります。昨日の例で、ポンドオージーの4時間足を見てください。
ネックライン(サポート帯)を一時的に下抜けましたが、トレンドは発生しませんでした。数時間でネックラインの内側に戻ったので、ダマシに終わっています。
ダマシになった理由は、結局のところ分かりません。ただし、クロスの通貨ペアを分析しておくことで、ダマシを避けられる確率は上がります。クロスの通貨ペアとは、この場合はオージー/ドル、ポンド/ドルです。ドルストレートとクロス通貨ペアの、合計3つを比較することです。
※ドル円・ユーロドル・ユーロ円の3つ。ポンド円・ドル円・ポンドドルの3つ、等です。
では、ポンドドルの4時間足を見てみます。
ポンドオージーは一時的にブレイクしていましたが、ポンドドルは、ブレイクせずにネックライン(サポートライン)タッチで終わっていました。もし、ポンドドルの方が下げが早く、ネックラインを下抜けていたら、ポンドドルもポンドオージーも、短期下降トレンドが出ていたかもしれません。
相場の値動きは、チャートだけでは決められないので、「ポンドドルが反発したからポンドオージーはダマシに終わった」わけではありません。ただし、判断材料の一つにすることはできるでしょう。
ブレイクするときは、その通貨ペアだけを見るのではなく、他のクロス通貨ペアも比較して見るようにしています。FXは、株のように一つの銘柄が「上がるか下がるか」を予測するのではありません。必ず、2つの通貨がセットになった「ペア」を売買します。そのため、比較することができます。これは、FX特有の大きなメリットです。ポンドオージーだけ見ていても、判断がつかない場面があったとしても、ポンドドルやオージードルと比較することで、判断できる場面が出てきます。トヨタ・ホンダ・日産のように、似たような銘柄を比較するのとは、大きく違います。
今回はマイナーポンドオージーでしたが、どの通貨ペアでも見方は同じです。たとえば、ユーロ円がブレイクする場面なら、ドル円とユーロドルもチェックしておきます。FXの特徴は、上手く活用していきましょう。