昨日は、アジアタイムからドル円が急落しました。80pips下落して全戻し、それから倍上げました。15分足を見てください。
安値をつけたAが、9:30です。Bまでの全戻しは普通です。下げが無かったことになり、再び15分足レベルでレンジかな、と思っていました。実際には、Cまで上げて、AB間の値幅と全く同じ80pips上昇です。Y波動ですね。
地政学リスクが緩和されたとはいえ、Aの下げを見ていたので、ちょっと驚きました。ただし、客観的に見たらごく普通のY波動です。機関投資家からすると、ごく当たり前の手口なのでしょう。
日経にも出ていました。
「円急落109円台、HFTとの攻防で消耗」
この記事は有料版なので概略を説明すると、
「イラン情勢については既に織り込んでいて、地政学リスクで下げ続けることは無いから、HFT(機関の高速取引プログラム)が円買いをしかけて下げさせ、プラス材料となるヘッドラインがでたら(今回は戦争は求めていない発言)円売りに切り替え、延々と円を売り続けた」とのことです。
これが、Y波動が出る理由の一つなので、今後も同じような値動きはあるでしょう。倍返しでY波動が出るということです。相場を先読みすることはできないですが、「こんなに上げるはずない」という先入観を持つと危険です。相場に、高すぎる(安すぎる)というのはありません。
HFTを意識する必要はありませんが、執拗に上げてくる(下げてくる)相場は、往々にして突然やってきます。「急落したら倍上げてくるのが相場だ」とインプットしておくのもいいかもしれません。倍といえば、2倍の値幅です。普段から値幅を使い、Y波動はチャートパターンの一つとして考えていれば対応できると思います。
トレードで負けるのは、先入観が大きいです。
高すぎる、安すぎる、と考えてしまう経験則や勘でしょうか。さすがに上げ過ぎだ、というプライスは存在しません。人によって上げ過ぎという感覚は違うからです。人間相手というより、相場をけん引している(HFT含め)コンピューターが相手かもしれません。コンピューターと同じように、冷静に相場を見ていく必要がありそうですね。昨日は、そう考えた相場でした。