以前は勝てていたのに今はダメ。
そんなトレーダーは多いでしょう(自分も?)。相場歴が長いほど、利益額が右肩上がりになるのが理想ですが、現実はそう上手くはいきません。短期売買は、勝てる時期もあればそうでない時もあり、年齢とともにリスクの取り方も変わってくるからです。
年間+1000万の年があると、翌年は+3000万円とかそれ以上に、さらに翌年は+5000万円勝ちたい、というように右肩上がりを想定してしまいます。FXは損益変動が激しく、利益を見積もることはできません。わたしは、結果的に年間マイナスにならなければ良いかなと思っています。
ただし、もはや勝てないにもかかわらず、相場に固執しているのは良くありません。これでは落ちぶれたトレーダーであり、ギャンブルで取り返したい一心と同じようなものです。やればやるほど負けるかもしれませんから、撤退した方が良いでしょう。それは、自分で判断する他ありません。

ところで、よく行く寿司屋があります。回らないのにランチが良心的で、もう15年は行っています。これまでは「にぎり」が2200円だったのですが、先日行ったら3000円に値上げされていました。また、味も落ちていて美味しいと感じませんでした。
会計の時「値上げしたのですか?」と聞いたら、メニューを改訂しました、とだけ言われました。世の中はインフレですから、値上げは当然と思います。しかし、値上げのことを聞いても、はぐらかされたうえに、味も落ちていてなんだか残念でした。
しかし、店を出た後に思い返してみると、隣にいた客は高いネタを次から次へと頼んでいて、値上げなんてなんのその。店内は繁盛していました。場違いだったのは自分だと、ハッとしました。この店に来るのは今回が最後だなと思うと同時に、選ばれなくなったのは自分であると気づきました。
相場においても、自分のやり方がいつまでも通じるわけがなく、毎日微調整しながら「相場の変化」についていかなければなりません。相場は変わっているのに、自分のやり方が変わらなければ、気づいたときには置いてけぼりになります。FXのトレード手法だけでなく、資産運用スキル全体のアップデートが常に求められます。
もはや、個人投資家をやめる選択肢はなく、年齢的に再就職という道に戻ることはできません(就職というか退職のほうが近くなってきました)。金融や経済情勢の大きな流れを感じ取り、時流の方向性を見誤ってはいけません。そして、運用方針がとんでもない方向にならないよう、自分で毎日チェックしていくしかないでしょう。「落ちぶれたトレーダー」にならないようにしたものです。
このことは、頭の片隅に置いておき、日々忘れないよう運用していきたいと思います。