ラインには、横と斜めがあります。
横は水平ライン、斜めはトレンドラインやチャネルラインです。水平ラインは、2つ以上の高値や安値があれば引けるので簡単です。一方、斜めのラインは、いかようにでも引けるため、難しいです。そのため、機能する斜めのラインを1回で引こうとせず、何度も引き直すようにしています。
主観を入れず、「この角度が良いかな」と思えるラインがあれば残し、そうでなければ消したり、移動します。最初からしっくりくるラインを引こうとせず、違和感がないものがあれば残すくらいで良いかなと思います。すぐに良いラインを引こうとすると、どうしても気が焦ってしまい、「このラインでいいや」と妥協してしまいます。斜めのラインは引き方によってチャートの見え方が大きくかわるので、妥協には注意が必要です。
直近のユーロ円1時間足で見てみます。次のチャートは、昨日のアジア時間です。チャネルライン(正確にはフィボナッチチャネル)を、最高値と最安値を最大に広げ、上段と下段にわけた引き方をしています。

この引き方だと、相場はチャネル下段から上段に移行し、さらに上昇トレンドを強めたように見えます。したがって、上段で安値を切り上げるとAのポイントが押し目になり、矢印のように推移するイメージができます(もちろん個人的な見方です)。実際にこうなるかはわかりませんが、Aで反発したらロングしたくなる「ラインの取り方」です。
では、違う引き方をしてみます。
トレンドラインは先ほどのチャートと同じで、高値側のアウトラインを広く取りました。真ん中のラインが直近の切り上げている高値にくるようにしています。

この引き方だと、Aでダブルトップのようになり、上段に入ってもトレンドは強くならず、下段の内側に戻ってました。上段をキープするほどの勢いがないので、ふたたび下段で推移するのではないかと、矢印の推移のようにいったん下げるように見えます。したがって、ショートしたくなるラインの取り方です。
最初のチャートは上がるように感じ、2つ目は下がるように見えます。ラインの引き方により、見え方が逆になるのです。片方は上目線、もう片方は下目線になります。個人的にそう見えたというだけなのですが、同じことは他の場面でも頻繁に起こります。
解決方法は、いろいろなラインを引くことでしょう。一つに固執せず、今引いてあるラインが正しいと考えずにたくさん引いては消す。しっくりくるラインがあれば残す。これを繰り返すしかありません。違和感ないラインが引けて、その通りになり始めたらポジションを取る。やることは、それだけです。こうなったらいいな、という希望だけでトレードしてはいけません。
ちなみに、昨日1日で次のように推移しました(下記Aの箇所)。最初のチャネルラインと2つ目のチャネルラインです。いったん下がりました。


自分が納得してトレードできれば良いと思います。
※トレンドラインは移動平均線に沿って引くのが基本です