トレードは、期待値の高いポイントでエントリーするだけの作業ではありません。エントリーまでに分析して戦略を立て、どう進むかイメージする。そしてエントリーし、イグジットまで決めなければなりません。一連の作業でありプロセスが必要です。特に難しいのは、エントリーした後のイグジットです。
利益確定は、もっと利幅を伸ばしたい欲や、含み益を減らしたくない「欲」との戦いといえます。一方、損切りするときは、お金が減ることが確定しますので、認めたくない感情が出てきます。人間は欲に勝てませんから、テクニカル的に、ここで「利益確定する」「損切り」するというポイントを決めていないと、損大利小になってしまうでしょう。
昨日は、損切りで迷った場面がありました。
どこで損切りすれば正解だったのか、見てみます。ドル円の5分足です。
FOMCで急騰し、高値圏でもみ合ったまま昨日はスタートしました。私はロングしましたが、Aで三角もち合いを下抜けました。ここで損切りするか迷った末、Cで損切りとなりました。
Aで損切りした場合、三角もち合いを下抜けたものの、まだ安値を更新していませんので短期上昇トレンドが否定されたわけではありません。ですから、Aで損切りしなくても良いと思います。ただし、「三角もち合いを下抜けずに上にいく」というイメージをもっていたなら、Aで損切りすべきです。イメージと異なる値動きになったからです。損切りで大切なことは、どこで損切りするかではなく、イメージと異なった時に損切りすべき点です。イメージがないままエントリーするのは論外ですね。
三角もち合いを下抜けない、というイメージですから、それが否定されたときにAで損切りしなければなりません。一方、三角もち合いではなく、水平のネックラインを根拠にしていた場合、これを下抜けたBで損切りすべきでしょう。どちらで損切りするかは正解がなく、エントリー前の想定損益率がよければいいだけです。
私はAで、すでにイメージが否定されたので、Aで損切りすべきでした。しかし、実際損切りしたのはCです。なすすべなく切らされた。という感じです。これは危ないトレードです。どこで損切りするかは、トレーダーごとに異なりなす。しかし、ここで損切りする、という決め事は絶対にしておかなければなりません。決めておかないと、損切りが遅れます。たった1回の損切りですが、いずれ命取りになりますから、反省して改善していきたいと思います。
イメージしていた相場と、実際の相場は、異なることが多いです。
実際の相場はスクリーンショットなど、記録に残せます。しかし、イメージしていた相場は残せませんから、その「イメージと現実の差」を視覚的に残すことができません。これが、分析の難しい点です。あの時こう考えていた、というメモは、少しでも残すのがおすすめです。