FXでは、一つの手法だけで何年、何十年と利益を上げ続けるのは難しいです。世の中に金融商品は山ほどあり、資産運用の方法もそれと同じ数だけ存在します。その中のFX短期売買一つだけが、未来永劫勝てる手法であり、毎日利益が出せるものとは思えません。それはあまりにも視野が狭すぎます。
資産運用の基本は「組み合わせ」
資産運用は、アセットアロケーションで資産配分を決め、資産ごとにポートフォリオを構築し、その中でいくつもの手法を組み合わせることで成果を発揮します。
さらに、ポートフォリオの一つであるFXの中でも、レンジプレー、1分足順張り、1分足逆張り、5分足のスキャ、デイトレード、スワップトレード、トラップ系など、さまざまな手法があります。あるいは、株式トレードなら、現物配当目的、デイトレード、先物オプションのヘッジ取引など手法はたくさんあります。
それぞれの手法には、必ずメリットとデメリットがあり、利益が出る時期とそうでない時期があります。また、機能する時期とそうでない時期があります。ですから、たった一つの手法を取り沙汰して、「これは使えない手法だ」と決めるのは、ナンセンスです。一つ一つは少しの期待値しかなかったとしても、いくつも組み合わさると高い期待値となり、高い収益が安定して出るのです。
これが、ポートフォリオ運用がうまくいっている状態で、資産運用で目指すべきスタイルかと思います。
アセットアロケーションとポートフォリオ
参考までに、私自身の構成を紹介します。
【アセットアロケーション】
①FX
②株
③不動産
【ポートフォリオ】
①スキャルピング、デイトレード、スワップ
②現物配当、日経先物システム
③築浅小規模レジデンス/オフィス、コインP
このように、資産クラスごとに異なる収益源を持ち、それぞれの中でも手法を分散させています。すべての戦略が同時に勝つことはありませんが、どれかが負けても別の手法の利益が上回り、全体として安定して収益が積み上がる構成を意識しています。
一点突破とリスクの現実
ただ、トレードで何十億など信じられないほど稼ぐ人は、一つの手法で一点突破する方も多いです。この場合、大きなロットでリスクを取っていると思います。一部の何十億トレーダーの裏には、リスクを取って失敗してしまうトレーダーが何十、何百倍と存在します。この事実に目を背けてはいけません。
そう考えると、ポートフォリオを組んで「期待値×期待値」を高めたほうが、生き残る確率は格段に高まります。また、運用はこの先何十年と続けなければなりませんから、長期的に儲かれば問題ないでしょう。短期で稼ごうとするから無理が生じてくるのです。
わたし自身が生き残っていますから、「一点突破で勝ち続ける」よりも、「分散してリスクもリターンも平準化する」ほうが、はるかに生存確率は高いのです。わたしは、30代前半でスキャルピングで1億円以上を稼ぎ(これを一点突破というのか分かりませんが)、それからは上記のポートフォリオにしています。
勝っているうちに次の手を考える
もちろん最初から多くのポートフォリオを組むことはできませんから、まずFXで一つの手法を身につけたら、それを実践しながら次の手法を構築していきます。負けてから次の手を考えるのではなく、勝っている時に、新しいやり方をどんどん開発していくことがポイントです。負けてから考えるのでは遅いのです。
わたし自身も、スキャルピングで勝てている時に、デイトレード、不動産投資、株式という順番で手を広げていきリスクとリターンを平準化していきました。
いくつもの手法を組み合わせ、全体として強いポートフォリオを作る。それこそが、長期的に生き残り、着実に資産を増やすための現実的なアプローチだと考えています。複数の収入源を作れば生活基盤が安定します。そして、時代や相場の変化に合わせて柔軟にアップデートしていけば良いでしょう。
そのために、まず収益源となる一つの手法を作る。FXは短期的にスキルアップできますから、元手資金を大きく増やす資産運用の初期にやるのはおすすめです。



