相場は、1日の中で高値と安値があります。どこかの時間帯で高値安値をつけてきますが、1日は24時間ありますから高値つけて数十分後に当日安値になる、ということは考えにくいです。アジア、ロンドン、ニューヨークの3市場がメジャーなので、このうちのどれかが高値と安値になることが多いです。
たとえば、アジア市場が高値ならロンドン市場では安値をつける、などです。アジア市場は膠着し、ロンドン市場で高値、ニューヨーク市場で安値、という流れもあるでしょう。そして、前日からの流れや大局を把握し、ネックラインを見つけるだけで、チャート分析の確度が上がります。他のテクニカル分析を組み合わせるという事です。
昨日のユーロ円を見てみましょう。
まず4時間足です。
上昇トレンドの天井圏でしばらくもみ合っていました。Aの雇用統計で、ネックラインとトレンドライン2つのサポート帯を下抜けたので、上値は重くなります。
これを5分足で見てみます。
ネックラインとトレンドラインは、4時間足と同じものです。
雇用統計で、完全に下抜けたことが分かります。昨日のオープンからアジア開始まで上げていますが、1日の中で高値と安値を作ることを考えると、ネックラインがレジスタンスになりますから、反落する可能性があります。「もしかしたらアジアが高値でロンドンは安値かも」とイメージできます。ネックラインが無ければ、アジアタイムの時点で高値と考えるのは無理でしょう。しかし、雇用統計でトレンドラインとネックラインを下抜けており、6時から9時が戻りの可能性があります。
さらに、15分足で見てみます。
金曜日はネックラインを下抜けて、移動平均線がパーフェクトオーダーをキープ、昨日もパーフェクトオーダーです。下に値が走る根拠があります。
このように、1日のうち、どこで高値を安値をつけるか考えるとき、シンプルにテクニカル分析と組み合わせればいいだけです。「何時に高値や安値を付けるのか?」と漠然と考えても分かるはずありません。テクニカルで、「高値になりそうだ」「ここが安値になるかも」というイメージができれば良いでしょう。4時間足、15分足、5分足など、いろいろな時間軸をチェックすることも、大切です。一つの時間軸だけでは情報が少ないです。
もちろん全通貨ペアが、いつもテクニカル分析で「丸わかり」のはずがありません。いつ、どの時間帯にチャート分析してもイメージが湧くなんてことはありません。常時ローソク足は形成されていますから、イメージできるのはそのうちの、ほんの一部だけです。ポジションを持つのは、その時でOKという事です。分からない通貨ペアは手を出さない、ネックラインや流れが分からない時は手を出さないことが重要です。トレードで利益を上げるには、イメージが鮮明になった時だけにした方がいいです。
FXをやっていると、どの時間帯にトレード開始しても「分からない」「イメージが湧かない」となるのは不安ですね。しかし、トレーダーは、分からないことが多くてもOKです。利益を上げるのが仕事なので、分かる時だけエントリーすればいいと思います。私は、チャートの全てを理解しようと思っていません。最初から割り切って考えると、気が楽になるかもしれません。そうすれば、機会損失感も無くなり、焦りがなくなります。