『市場平均を上回る利益を出すことはできない』
これは、株式市場でよく言われます。
一時的にインデックスを上回ることはできても、上回り続けることはできないという事でしょう。結果的に資金を減らす可能性が高いということです。したがって、短期売買で時間と神経をすり減らすよりも、インデックス投資をしたほうが、投資期間が長期になるほど資産は増えるというものです。
では、FXも同じでしょうか?
短期売買(FXならスキャルピングやデイトレード)は、やればやるほど損するのでしょうか。
確かに、連戦戦勝はムリです。
また、FXは資産変動幅が大きく、相当リスクの高い投資です。資産減少期に、少しでも沈み方が大きいと一気に資産が減るでしょう。しかし、長期的には短期売買で「資産は増やせる」というのが持論です。
そもそも、市場平均を上回ることができないといわれる理由は、「マーケットを先読みすることはできない」という前提です。常に当たり続ける人はいませんし、外れ続ける人もいません。結局、ファンダメンタル派もテクニカルトレーダーも、予想確率が極めて高い人はいないでしょう。ほぼ平均前後だと思います。良くても50%をちょっとこえる位、ではないでしょうか。マーケット歴何十年のプロだとしても、予想確率は素人とそんなに変わらないと思います(持論です)。
予想確率を上がることができない以上、インデックス投資をするのが一番効率が良い、というのも納得できます。
だからといって、短期売買が勝てないことにはなりません。投資手法にはメリットとデメリットがありますから、100%どちらが良い、と決めることはできないはずです。短期売買もインデックスも、人によって勝ったり負けたりします。
確かに短期売買は、難しいと思います。
しかし、次の3つのポイントを押さえておけば、先読みの確率は高くなくても、長期的に資産を築くことは可能と考えています。
①売買ポイントを絞る
②資金管理を行なう
③損益率を上げる
どれも徹底して行ないます。
『徹底して売買ポイントを絞る』『徹底して資金管理のルールを作り実行する』『徹底して損益率を上げる』
これらを実践するために意識して努力すること。
上述のように、そもそもマーケットは不確実性が高く先読み不可能です。上がるか下がるかだけを躍起になって考えても、時間の無駄といっても過言ではありません。そういったマーケットを予測すること以外の、上記3つの要素が重要ということになります。
マーケットを分析するのではなく、
①どこでトレードするか
②資金管理はどうするか
③損益率をどう上げるか
これら3つを考えたほうが、長期的に勝てると思います。なんだか的外れなことを言っていると思うかもしれません。私はテクニカルトレーダーですから、チャート分析を駆使して上がるか下がるかを予測しトレードしている、と思うでしょう。
もちろんチャート分析にかなりの時間を割いています。しかし、予測には限界があり、たいして確率は上がりません。実は、後回しにされがちな上記3項目を事前にしっかり考え、勝つ土台を固めておくことが重要なのです。
具体的に3つがどのようなことか見ていきます。
①売買するポイントを絞る
チャートには、ある形になったら上がりやすい/下がりやすい、というパターンがあります。チャート分析とは、それを発見することに他なりません。あるパターン(勝てると思うパターン)が出た時だけトレードすることで、期待値の高い売買が可能になります。
先読みはできないのでは? と思うかもしれません。確かに、チャート分析の精度は、良くても50%ちょっとといったところでしょう。そこで、勝てると思うパターンが出たときに②③を組み合わせる必要があるのです。
②資金管理
いくらでFXを始めるか、という資金量ではありません。準備できる証拠金の中で行なうレバレッジコントロール、ロット数の増減とお考え下さい。FXで大きく儲けるには、大きなロットを張る必要があります。同じトレードするにしても、ロットを上げるだけで利益が青天井です。それがFXの醍醐味であり、リスクでもあります。
・いけると踏んだらロットを張る
・得意相場は全体的にロットを上げる
・ダメだと思ったら即損切りする
・苦手な相場はロットを落とす
このように、日々の相場により資金管理を変えながらトレードします。①で書いた「これは勝てそうだ」と思ったときに、レバレッジコントロールやロット調整を行ないます。
『①のときに②をしっかり行なう』
組み合わせが必要なのです。ちなみに、いつもフルレバレッジでトレードすると、全資金を失う確率が格段に上がるので私はやりません。
③損益率
FXは、先読み確率を上げるのが難しく、勝率アップに限界がある点は上述しました。しかし、損益率を上げることはいくらでも可能です。損益率を上げるとは、利幅を伸ばし、損切り幅を小さくすることです。勝てる時に大きく勝ち、負ける時はなるべく実損を少なくします。
ただし、いきなり損益率を上げることはできません。勝ちパターンを見つけ(①)、資金管理を行なう(②)から、損益率を考慮することができるのです。特に、①の勝ちパターンを決めておくことが大前提です。自分なりに期待値が高そうな場面だから、損益率を上げることができます。こういった定石をいくつも持つことが重要です。損益率が良さそうな場面だから資金管理をこうする、など①②③を組み合わせることが可能です。
①②③は切っても切れない関係です。テクニカルトレーダーは、①~③を固めておくからこそ、チャート分析に意味があるものとなります。チャートを見ていて、プライスだけを追って何も情報を得られない無駄なチャート観察にならないのです。
短期売買で市場平均を上回り続け、相場で生き残るのは簡単ではありません。ただ、①②③のような論理と戦術を組み合わせると、確率はぐんと上がります。トレードに一貫性が出るからです。①の売買ポイントを絞るだけでは勝てません。資金管理や損益率を考慮しないと、感情任せのトレードになりがちです。また、損益率だけ伸ばそうとしても無理でしょう。期待値の高いポイントを絞り、資金管理を行うから勝てる時に大きく勝てるのです。やはり、①②③は単体ではなく、組み合わせが必要なのです。
これらは、勝ち続けるための一部です。いろんな項目をピックアップし、どうすれば市場平均を上回ることができるのか、自分なりの方針をまとめておくと良いでしょう。