チャート分析 PR

介入をテクニカル面から考える

ドル円が144円台に入り、介入が警戒され始めました。
2022年9月の介入と同じ価格帯だからでしょうか。

介入を予測することはできません。
また、私は2022年の介入前後の高ボラティリティに期待しすぎて、スキャルピングでは結局損をしました。ですから、今回は介入で大きく儲けたいという欲は捨てて、介入があったらその後の値動きでトレードできればいいなと思います(介入前、介入時は儲けることを考えない)。

そもそも介入があるのかどうか、テクニカル面から見てみます。
まず、2022年の介入3回を見てみましょう。
① 9/22
② 10/21
③ 10/24

介入を成功させるには、マーケットのドル円ロングポジション(円売り)が必要です。

2022年介入直前のネットポジション(下図参照)。
9月が-81,000枚、
10月が-94,000枚、
そして現在は-107,000枚ですから、去年の介入時と同じくらいのロングポジションが溜まっています。

こうしてみると、ロングポジションが溜まっているので、すぐに介入があってもある程度の効果があるように見えます。しかし、IMMはシカゴ先物市場の投機筋ポジションであり、マーケットの一部でしかありません。また、ネットポジションの量が介入の判断材料になっているとは思えません。IMMは参考程度に止めておくべきでしょう。

それよりも、テクニカル的な値動きを見ておきたいです。

介入前は、口先介入と取れるような発言があります。
「過度な値動きがあったら対処する」
「急激な変動は望ましくない」
「急速で一方向な値動きは適切な処置を講じる」

などでしょうか。
テクニカル的に、これらの値動きがあるのかどうかです。
去年の介入時の値動きを、日足で確認しておきます。

介入の直前は、日足で陽線が何本も続き、このまま上げ続けるのではないかと、冷や冷やする状態だった印象があります。9月と10月の介入前、日足で10連騰とかでています。これが、「一方向で急激な変動」なのでしょうか。

現時点で、このような値動きはありません。
急激ではなく、ゆっくりとじりじり上昇しているに過ぎません。ですから、テクニカル的には介入があるとは思えません。

また、現在の上昇トレンドは、波動が小さいです。

見方によっては、昨年の高値の戻りかもしれません。
昨年の大きな上昇トレンドではありません。一方、昨年の上昇トレンドの最中と見るならば、現在はものすごい大きな上昇トレンドです。トレンド回帰して200円が視野に入ってきます。

ただ、145.00円~150.00円よりも上はいかせない、といった価格で判断をされるなら、テクニカルは全く意味のないものになります。急激に上げようが、ゆっくりであろうが、その価格帯にきたら介入するという姿勢の場合です。

テクニカル的には、145.00円は確かにネックラインになりそうです。
ここを上抜け、さらに去年の介入前にあったような日足で連騰(一方向の過度な値動き)があると、介入が視野に入ってくるのかなと考えています。そうすると、前回の高値151.94円付近は上に突き抜けている可能性があります。

去年の介入前にあったような急騰があるかどうか、がテクニカル的なポイントでしょうか。このような過度な上昇があったら、警戒したいと思います。