現在の方向性を考えるとき、移動平均線から「乖離しているのか否か」でとらえるようにしています。トレードするにあたり、今現在の相場の流れを把握する必要があります。移動平均線との乖離は、それが簡単にできるからです。スキャルピングで使う1分足でも、デイトレードで使う1時間足や日足であっても(どの時間軸も)同じです。
まず、1分足で見てみましょう。
昨日のドル円です。
ニューヨーク時間に高値ブレイクをトライしましたが、失敗して急落した場面です。Aでは、移動平均線が水平になり、ローソク足が移動平均線を何度も上下動しています。ここが、方向性がわからないポイントです。理由は、「移動平均線と乖離していないから」。Aの直前では、移動平均線とローソク足が乖離していています。ですから、短期上昇トレンドとわかり、戦略は次の2つになるでしょうか。
①移動平均線からさらに乖離する(上げ幅を強める)
②移動平均線に戻る(下落する)
いずれ②になりますが、もう少し①かもしれません。
(いずれ移動平均線に戻るが、もう少し上げるかもしれない)
すぐに②になりましたが、移動平均線に戻ると、次はどうなるか未知数です。Bも同じで、移動平均線まで戻ってくると、次はどちらへ進むのかわかりません。やはり、移動平均線から乖離する方が、順張りでも逆張りでもスキャルピングはやりやすいと思います(あくまでも個人的に)。
次に、1分足よりも長い、1時間足でも見てみましょう。
ABのように、ローソク足と移動平均線が収束するポイントは、ポジションが取りにくいです。Aは、下降のパーフェクトオーダーのように見えますが、Aの直前に上昇失敗し、すぐに下落する場面ではありません。Bもぎりぎりパーフェクトオーダーではあるものの、ローソク足と移動平均線が絡み合って方向性はわかりません。移動平均線との乖離が無いからです。Bを抜けた後でないと、ポジションは取れないです。
ただし、Bを上抜けたあとは、移動平均線とローソク足が乖離し始めています。乖離するなら、トレンドの始まりですから、しばらく続きます。
このように、チャートの局面により、ポジションが取りやすい時とそうでないときは、明確に分かれるものです。言い換えると、方向性が出やすい局面とそうでない時です。トレードを開始したときが、いつも方向性がでやすい場面なはずがありません。無駄なポジションを持たないためには、チャート分析して、様子見するのが正解という場面も多いです。そのためには、まずローソク足を移動平均線の乖離具合を見て、瞬間的に判断してみるのもひとつの方法です。「平均との乖離」は、テクニカル分析の基本です。
①今から乖離するのか
②乖離して戻ってきたのか
③乖離し始めたのか
これを考えるだけでけでも、深い分析ができます。