トレンドが発生すると、一方向に進むことはなく、押し目や戻りをつけながら値幅を出してきます。上昇トレンドなら、高値を更新したら少し下げまた上昇していく。トレンドの基本であり、それは1日の中でも起こります。
1日を「アジア、ロンドン、ニューヨーク」の3市場にわけると、どこかの市場で高値を更新しても、別の市場では下げることが多いです。ただ、上昇トレンドが強烈だと、3市場とも上昇することがあり、そのときに大きく値幅を出します。
直近のドル円1時間足で見てみましょう。
1から11は、日足が陽線になった日です。つまり、1日を通して上昇した日です。そして、四角で囲った6つの日(1,2,3,7,8,11)が、3市場とも上昇した日です。この6つは、ほとんどが値幅を出しています。しかし、数は少ないです。
日足で陽線だとしても、いつも値幅を出すわけではないのです。上昇トレンドなのでロングするとします。四角で囲った日とそうでない日を比較すると、利益が出るのは四角で囲った日になるでしょう。それ以外は、たとえロングしても3市場のうちどこかで安値をつけてくるので、ずっとホールドしていると一時的に含み損になります。そして、損切りすると次の市場で上昇していくのです。
10月は、総裁選という大きな材料があり、3市場とも上昇する力がありました(特に10/6~10/8にかけて)。ファンダメンタルで大きな材料が出たときは、3市場とも同じ方向で大きな値幅が出ますが、材料がないときは、3市場同じ方向になることは少ないものです。
何がわかるかというと、デイトレードにおけるポジションホールド時間の戦略です。
一つ、もしくは二つの市場でトレードを済ませるなら、一時的な下落につかまることは少なくなります。逆に、3市場ともに上昇する強いトレンドの全てに乗ることはできません。
一方、スイングトレード気味に数日間ポジションホールドするスタイルであれば、1,2,3のような3市場同じ方向へ進むとき、大きな利幅が取れます。しかし、それ以外の通常のトレンドでは、ホールドしていると上下の変動にさらされます。
どちらのスタイルが優れていると決めるのではなく、トレンドの特性を理解することが大切です。そのうえで、どういうトレードがしたいかを自分で決めておくことです。それが一貫性のあるトレードにつながります。私の場合は、日をまたいでホールドせず、一つもしくは二つの市場でその日のうちにイグジットするスタイルです。2時間~8時間くらいの数時間が目安でしょうか。
トレンドフォローしても、上下に振られてしまって利益が出ない方は、ポジションホールド時間に一貫性を持たせると良いかもしれません。3つの市場をきちんと分けて考えてみるのも一つの手です。




