チャート分析 PR

IMMを参考に

ドル円は、先週111円台をつけ、年初来高値を更新しました。今年は、年初から上げ続けていますので、年足だと上ヒゲも下ヒゲもない陽線です。

日足を見てください。

1月5日から、ずっと上げています。
IMMポジションをチェックしてみると、3月の上旬に円売りに転換しています。それまでは1年にわたり円買い越しとなっていました。確かに、今年の1月までは長い下降トレンドでした。現時点のIMMポジションは、下記の表です。

3か月ほど、円の売り越しが継続しています。
ドル円でいうと、ロングポジションということです。ドル円は上昇していますから、IMMのポジションと方向が一致しているということです。IMMは、一部の大口投資家のポジションに過ぎませんが、マーケットの縮図といえるので参考にはなるでしょう。

一方、日本の個人投資家は、円買いをしているトレーダーが多いようです。ドル円だと、ショートポジションです。IMMと逆になります。日本経済新聞社によると、2013年4月の日銀による異次元緩和以降、最大の買い越しのようです。ドル円をショートしている投資家が2013年以降最大と考えていいでしょう。ちょっと驚きです。

この集計はFX会社4社(GMOクリック証券、外為どっとコム、セントラル短資FX、マネーパートナーズ)だけのようなので、日本の個人投資家の一部でしかありません。しかし、4社だけでも5000億円近いポジション量なので、これも個人投資家の縮図でしょう、他のFX業者も合わせると、日本の個人投資家はかなりの「ドル円ショート」です。IMMと真逆のポジションというのが面白いですね。

ドル円をロングかショートか、どちらが正解というものはありません。しかし、逆張りは注意した方がいいです。テクニカル的に考えると、ドル円は中長期で上昇トレンドですから、ドル円をショートするのは逆張り以外の何物でもありません。現時点で年初来高値ですから、ドル円ショートしている投資家は、大半が含み損のはずです。このあと下がれば大儲けするかもしれません。しかし、儲かればまた逆張りをするでしょうから、いずれ大損します。短期的に、テクニカル的な根拠があって逆張りするならOKでしょうが、中長期トレンドの逆らうポジションは、「そろそろ反転するのではないか」という勘以外に、根拠が見つけにくいです(チャートが右肩上がりの時に、下がる根拠をテクニカルで見つけるのは難しいからです。)。

遊びならいいですが、稼ごうとして長期間ポジションホールドする逆張りをするのは、癖になりますからおすすめではありません。短期的に、テクニカル分析でトレードするようにしましょう。もちろん、ファンダメンタルや何かしらの根拠があれば、大量のドル円ショートを仕掛けてもいいでしょう。

トレードは、「根拠があるかどうか」だけです。
根拠のない、中長期の逆張りは極めて危険である。ということです。大損する時は、最初は数千円や数万円の含み損と、大したことありません。ポジションを持っていると、それが数十万、数百万となります。そしてナンピンすると、一気に大損します。根拠がないのに含み損をもっているなら、注意が必要です。